スポーツ医学・研究

スポーツ医学・研究
各医療機関、大学との連携においてアスリートの身体能力向上。
選手寿命延長、故障の早期回復を図り、スポーツ医学の正しい普及にも努めてまいります。
血液分析研究デザイン
赤血球形状評価法によるアスリートのコンディショニング
要 旨
アスリートにとって、常に良いコンディションを保ってトレーニングを行うことは大変重要なことである。
今日、乳酸値測定によって、運動強度が生理的なレベルで客観的に把握できるようになり、オーバーワークの防止にも有用であると評価されている。
しかしながら、最近では乳酸そのものが、疲労物質ではないという研究結果が報告もだされている。
一方、指から数滴、血液を採取して高解像度顕微鏡で赤血球や白血球の状態を観察する血液機能分析という新しい手法でも、オーバーワークや免疫能力、腸内細菌叢の状態、ミネラルバランスなど多くの身体情報が得ることができる。
アスリートのコンディショニングを定量的に評価する方法は、これまで乳酸値の変化を評価する手法が主であったが、血液機能分析による赤血球形状の定量変化を評価することでよりアスリートの運動能力を評価できる検査法を確立する。
目 的

アスリートのコンディショニングとして赤血球の形状変化を定量評価する手法を確立する。

ブラッドフォード末梢血液評価法は、身体に活性酸素(ROS)の影響がどれほどあるのかを評価できる評価法である。
末梢血液の評価は、High Resolution Blood Morphology Assessment TestsとCoagulation Morphology Assessment Tests があるが、赤血球の評価としては、High Resolution Blood Morphology Assessment Testsを行う。

末梢血液を評価(Live Blood Analysis)するに当たり使用する顕微鏡システムは、OLYMPUS BX51 暗視野、位相差での末梢血液像の静止画像を取り込み、観察エリアスポットを任意に5か所選択し赤血球の膜変化が認められた数を評価する。

変化した赤血球のステージを0~4の5段階でスコア化する

0:全く変形していない
1:1か所のくびれが認められる
2:2か所以上のくびれが認められる
3:3か所以上のくびれが認められる
4:溶解している

ホルモン、酵素、細菌、生物学的ストレスによる副産物、細胞の栄養状態の評価も可能である。

この中でアスリートの身体能力パフォーマンスに必須である各細胞へ酸素を供給する役目を担う赤血球の形状を評価し、高気圧酸素療法など各種治療で形状変化の改善が定量的に評価する手法を探り、アスリートのコンディショニングへ応用する。
これによりこれまで乳酸値に頼っていたアスリートのコンディショニングの情報を得る評価法を新たに確立する。

対象・手法

研究対象は、アスリート群とコントロール群の2群とする。
アスリート群は、20代で、トップアスリートとしてほぼ毎日、一定強度以上のトレーニングやウエイトコントロールを行っている競技者10名とする。
コントロール群は、アスリート群と年齢と性別を一致させた、トレーニング、スポーツを全く行わないオフィスワーカーなど10名とする。

アスリート群では、各競技者の競技前後(競技前日と競技翌日、もしくはトレーニング前後)、コントロール群では各被験者の運動負荷前後の小指から末梢血液サンプルを採取して血液像を高解像度顕微鏡システムの暗視野で観察する。

各競技者の競技前後(競技前日と競技翌日、もしくはトレーニング前後)の小指から末梢血液サンプルを採取して血液像を暗視野で観察する。
スポットエリア、スポットエリアの数を特定して暗視野顕微鏡の観察画像をデジタル撮影し、写真から赤血球の変形した数をカウントし統計学的考察を加える。
(任意に選択した 5視野の赤血液の数、変形した赤血球の数をカウントする。)

20代の10名のアスリートのサンプルを採取する。

年齢と性別を一致させたコントロール群として同年代のスポーツを全く行わない10名のオフィスワーカーなど被験者のデータも収集して赤血球の形状データを分析する。

・アスリートとスポーツを普段行わない被験者と赤血球の形状(変形した赤血球の数)差を比較する。→母集団の正規分布などを考慮しなければ、対応のないt検定で解析

・一定のトレーニング(運動付加後)を行った前後の赤血球の形状の変化を両者で比較する。→対応のあるt検定で解析

・トレーニングの種類を変えトレーニングを行った前後の赤血球の形状の変化を両者で比較する。→前後の変化は対応のあるt検定で解析し、トレーニングの種類ごとの変化率をカイ二乗検定(もしくはFisher検定)で、比較

・トレーニング前後で 各種ケア(高気圧酸素療法、エアナジー、テカル療法など)を行い赤血球の形状の変化を両者で比較する。→前後の変化は対応のあるt検定で解析し、トレーニングの種類ごとの変化率をカイ二乗検定(もしくはFisher検定)で、比較

対象競技、対象競技者、運動負荷の強弱、運動負荷の種類、テカル療法、高濃度酸素吸引後などの各種コンディショニング治療前後 など条件を変え 実験を行う。

References

1. Phase I Research Project(The HLB Blood Test).Bradford,R.W.,et al.,Bradford Raresearch Institute,San Francisco, California,1981(Controlled document)

2. International Protecols(IIPM)in CancerManagement.R.W.Breadford,
et al.,Breadford Foundation,Los Altos,California(Second Edition),1983.

3. Journal of the National Cancre Institute 62 1459(1979),Dvorak,H.F.et al., “Tibrin Gel Investment Associated with Line 1 and Line 10 Solid Tumor Growth,Angiogenesis,and Fibroplasia in Guinea Pigs”.

自律神経機能向上によるアスリートの身体能力トレーニング
自律神経機能強化が注目を集める!

レーシングドライバーにとって重要な身体能力は、筋力ではありません。
判断力、動態視力、そして自律神経の高い能力です。
もちろん、格闘家他、多くのアスリートも同じです。

自律神経機能のレベルを知ることでソフトウエア機能の自分の弱点が分かり新しいトレーニングで強化することもできます。

この取り組みを行った経験を持つ日本トップレベルのレーシングドライバー2人を紹介します。
フォーミュラニッポンで活躍するM選手、NASCARで活躍する古賀琢麻です。

M選手はカート時代からから天才と称され、佐藤琢磨選手とレーシングスクールで同期の逸材。
オリンピックの金メダル獲得より遥かに困難といわれるF1ドライバーのシート。
この夢に挑む。 
国内最高峰フォーミュラニッポン、全日本GT選手権に参戦中。
日本人史上最年少でフォーミュラニッポン優勝した彼は素質では佐藤琢磨より上との評価もありました。
しかし、ウエイトトレーニングを主体としたトレーニング法の間違い、過度の期待によるストレスで成績は徐々に悪化。
メンタル的に脆かったのか、徐々に成績が悪くなりました。
2004年にはシート喪失の危機。

私がトレーナーとして2004年6月に就任し2年間サポート。
アンチエイジングシステムのサポートは必ず結果が出ると確信していました。

私はすぐにこれまでのトレーニング理論の誤りを指摘、身体能力向上を約束しました。
ウエイトトレーニングは論外です。
エナジーカラー赤のM選手はセンスを磨くだけです。
従来のウエイトトレーニングをストップ、自律神経機能トレーニングをスタート。
新トレーニング開始後すぐに顕著な成果が表れました。
最初の頃、M選手は、不眠と口内炎、胃腸の不調を訴えていました。
副交感神経機能の低下が疑われる症状であり、心拍変動解析システムを使用して調べたところ、
交感神経に比べて副交感神経が著しく低下した結果が得られました。
この状態を改善するため、エアナジー、アロマテラピーを用いて治療を行いました。
呼吸法もトレーニングに導入。
この模様は地元テレビ局でも放映されました。
その効果はすぐに表れ、検査で副交感神経機能が向上したことが確認され、口内炎や不眠も改善し、
精神的にも安定した状態でレースに臨むことができるようになりました。

2ヵ月後に開催された全日本GT選手権第5戦、チームが見事優勝。
05年はFN最終戦でP.P獲得し、3年ぶりに2度表彰。
2007年、2008年、本来の才能とセンスで無類の速さを見せつけ王者。
もちろん、もはや私の指導もサポートも全く不要で彼自身の能力が築き上げた結果です。

この結果からスポーツ界を大きく変えるトレーニング法に注目が集まっています!!

自律神経機能の重要性を説くトレーナーや医師はこれまでにもいましたが、検査を行っているトレーナーはいませんでした。
評価法も知らずして自律神経が良くなった、呼吸法が良いなどいうのはきわめてナンセンスで、逆にアスリートにリスクを背負わせることにもなりかねません。
学術的根拠があってこそ初めて科学トレーニングといえます。

定量評価がなければ科学ではありません。
私達は、最先端科学のバックグラウンドのもとでアスリートのサポートを行っています。

レーシングドライバーは筋力より極限のストレスの中で運転する身体能力です。
肉体以上にメンタルな部分が重要です。
この中でも自律神経の機能はレーシングドライバーにとって最も重要な機能です。
神経疲労の耐久能力向上を目指しました。
また、時速300キロを超えるマシーンのコントロールする上半身の耐久力、
つまり乳酸の除去能力、乳酸耐久性の向上を科学的に図ったのです。
すでに多くのオリンピック日本代表選手、プロ野球選手でこのシステムを使用して実績がありました。

  • 心拍変動解析(自律神経機能計測システム)によるコンディショニング
  • エアナジーによる活性酸素除去と乳酸値の減少、細胞の酸素利用効率の向上
  • サプリメント(アミノ酸)による乳酸値低下と神経疲労の回復

このシステムによるサポートでレーシングドライバーの身体能力が劇的に向上したことは誰の目にも明らかです。
マシーンに数百億の予算をかけるよりレーシングドライバーにその予算の100分の1もかければ優れた結果が出るのは間違いありません。

どうしてそんなことに気がつかないのでしょう?

それは製造業しか行っていない者と医療を行っている者の大きな考えの違いなのです。
マシーンより人間が重要なはずです!

近い将来、必ずF1レーシングドライバーにも私の開発したシステム

1:自律神経機能計測システム
2:活性酸素除去、自律神経機能向上システムであるエアナジー
3:乳酸を低下させるサプリメント

が導入される日が訪れるかもしれません。
先日もF1レーシングドライバーを目指す、中嶋大祐選手が私の下を訪れたのでこのトレーニング法を指導させていただきました。
当社スーパーバイザー、河合貞利選手がF1ドライバーとしてすでに大活躍の中嶋一貴選手、
弟である大祐選手のフィジカルトレーニングを担当しています。

私どもの開発したシステムの組み合わせは既にヨーロッパでは競走馬に使用されて実績が出ています。
数億円もする競走馬は人間より収益を上げる価値があると考えられています。

自律神経機能を正しく評価するために、心拍変動解析システムを使用しています。

これまで治療効果の科学的評価が難しかったアロマセラピーなどの効果も、このシステムを用いることによって把握できます。呼吸法のバイオフィードバックトレーニングにも利用しています。

もともとはロシアの科学者が開発して宇宙開発に使用されたシステムであり、ロシア崩壊後、アメリカに渡ったロシア人科学者が立ち上げた、ベンチャー企業のBiocom社と、技術・臨床研究の提携をして、最先端のシステムを臨床的に開発しています。「ハートリズムスキャナー」「インナーバランススキャナー」「ハートトラッカー」のシステムで、RSAによって自律神経の機能レベルを調べます。

検査の結果は、パソコン画面に図で表示されます。
横軸が交感神経機能、縦軸が副交感神経機能のレベルを表します。
中央のエリアがノーマルであり、検査結果を示す丸印が右にあるほど交感神経機能が高く、上にあるほど副交感神経機能が高いといえます。
トップアスリートは交感神経機能も副交感神経も高いレベルにあることが理想です。
一方で、副交感神経機能が低下すると免疫機能が低下するため、風邪にかかりやすくなります。
オーバーワークですぐにダウンしてしまう状態です。

古賀選手データ

自律神経機能のグラフは古賀琢麻選手の検査結果です。
アメリカでは大リーグやNFLと並ぶメジャースポーツNASCARのレーサーであり、スポンサーを探しながらトップを目指しています。
NASCARという過酷なレースのドライバーである古賀選手は、交感神経、副交感神経ともに高いレベルにあります。
自律神経機能の能力が非常に高く、極度の緊張のなかでもリラックスできる能力をもつ、才能にあふれたアスリートであることがわかります。

パフォーマンスアップ
自律神経機能の高さはトップアスリートにとって重要な能力である

過剰なストレスがかかるトップアスリートほど、自律神経機能は特に重要です。トップアスリートはパワーアップなどフィジカル面の向上を図るだけでは勝てません。筋肉や自分の身体をコントロールする自律神経機能を向上させることが、1cm、0.01秒の差となってパフォーマンスに表れるのです。極限のストレスの中で長時間にわたって戦うレーサーの身体には、通常では考えられない大きさのG(重力)がかかります。古賀選手が活躍するNASCARは、平均時速320kmでオーバルコース(楕円形コース)を3時間も走り続けるのですが、片側の脳が虚血になる恐れがあるほどの横Gが加わるものの、そうならないのは自律神経がコントロールしているためです。レーサーにとって自律神経機能はレースを成立させるために重要な能力であるのです。ウエイトトレーニング以上に自律神経機能トレーニングは重要です。

自律神経とは?

筋肉はあくまでもハード、自律神経はハードをコントロールするソフトウエアと同じです。素晴らしい肉体を創り上げても肝心なソフトである自律神経機能が低下してはアスリートとして高いレベルでの能力は発揮できません。

緊張の中でリラックスする能力こそトップアスリートに必要な能力です。

ヒクソングレーシーは筋肉を鍛えるトレーニングを行っていますか?ハードなトレーニングで身体に負担をかけていますか?答えは 否です。

最近、よくテレビでウエイトトレーニング主体としたジム、特殊な器具を使用て短期間でパワーアップが図れると誇大なPRをしている施設や指導者が目に付きますが、そのトレーニング方法のリスクを全く考えていないことを危惧しております。
筋肉だけ鍛えても筋肉を動かす神経機能がパワーアップしていないとバランスが乱れ、肉離れを起こしたり、疲労回復が遅れたり、老化が進んだりする可能性があります。
出先器官である筋肉のみを鍛えるトレーニングはナンセンスであり過度の緊張を引き起こしかえって身体能力低下を招きます。
運動角や関節可動域を低下させるリスクもあるウエイトトレーニング主体の緊張トレーニングには負の部分もあることを是非知っていただきたいと考えます。

特殊なトレーニングでヒト成長ホルモンの血中濃度がいくら高まっても、筋肉と神経機能の連動が上手くいかなくては意味がないことに気づいてほしいと思います。
アスリートは筋肥大を短期間に目指すよりも現在ある筋肉をいつも100%フル活用する方法を知るべきです。

器具に頼らなくてもパワーアップは可能です。
その一つが呼吸法であり、まさしくヒクソングレーシーがトレーニングとして最も重視している手法です。

ヒクソン氏はいつもヨガを行っています。彼のトレーニングであるヨガこそが科学的効果的な呼吸法であり自律神経機能を向上させる特別なトレーニングなのです。

緊張の中にリラックス。
最大の身体能力が発揮できる状態なのです。
アスリートには過度な筋力は必要ないのです。

呼吸法トレーニングは、宇宙飛行士のトレーニングにも使用され、アテネ五輪金メダリスト室伏広治選手も米国で指導を受け導入していました。

北京オリンピックでの男子柔道の結果はまさしく私のトレーニング理論を如実に表す出来事となってしまいました。

斎藤監督以下、厳しいトレーニングの中、プレッシャーに動じない内柴選手と石井選手が金メダル獲得、他は全滅状態。
過酷なトレーニングは、緊張を絶えず招きリラックスができません。
緊張の中、リラックスして闘った2人に金メダルをもたらせたのではないでしょうか。
アテネ五輪で金メダル最有力と言われた井上康生選手が過度の緊張のため敗れ去ったことも同じです。
根性や厳しいトレーニングはある場合に必要ですが、いつも緊張や根性では世界にはもはや立ち向かえないのです。

根性論だけでは世界との距離が広がるばかりです。
大阪世界陸上、バンクーバーオリンピックの結果を見れば根性論だけではもはや世界に通用しなくなってしまったことは明白です。

自律神経機能トレーニングこそ最も効率的で確実に身体能力が向上する癒しのトレーニングなのです。
このトレーングを導入した当社専務取締役、秋吉耕佑選手は2010年全日本ロードレース選手権総合王者に輝きました。

リラックスして身体能力向上、スポーツを楽しんで良い結果。
これこそスポーツの真髄ではないでしょうか。

自律神経機能向上のためのバイオフィードバック訓練
心拍変動フィードバック

心拍数と血圧は、他の生理的システムと同様、健常人において複雑な変動パターンを示し、これらは複数の周波数振動で特徴付けられている。
これらの振動は、ホメオスタシス(生体恒常性)反射活動を反映している。
RSA(呼吸性不整洞脈:呼吸による心拍変動)振幅を増加させる為のバイオフィードバック訓練では、0.1Hzの付近でのみ心拍変動が最大化する。 この訓練目的を達成させる為には、ゆっくりとした呼吸で0.1Hz付近に呼吸数を合わせると、呼吸により引き起こされた振動(RSA)とその呼吸数で自然に発生する振動間に、一部圧受容体反射活動によって引き起こされる同調が起こる。我々は、この種のバイオフィードバックが圧受容体反射を働かせ、その為より効率的に機能させると考えている。 この方法を実行する為の資料が紹介されており、Lehrer, Smetankin, Potapova(2000年)共著の中に、この点についての説明データが提出されている。

特性と目的

RSAとは呼吸によって起こる心拍変動のことである。 心拍数は吸気で増加し呼気で減少する。 これは、心拍リズム変動メカニズムの内のひとつである。 通常これらの変動はお互いに重なり合い、その結果心臓の自然のリズムを非常に複雑なものにしている。 RSAは時には、副交感神経の状態をみるための指標として使われる(Porges, 1996)。 呼吸に関係づけられる心拍変動は健常人においては通常0.15~0.4Hz(9~24呼吸数/分)の周波数帯で起こる。この周波数帯の心拍変動はしばしば、“高周波”心拍変動と呼ばれている。 同時に、0.05~0.15Hz(呼吸数3~9回/分)の周波数帯でも大きな振幅変動がみられる。 この周波数帯の心拍変動は、この周波数帯で非常にゆっくりと呼吸しているのでなければ呼吸数には関係していない。この周波数帯での活動は“低周波”心拍変動を意味し、交感神経系および副交感神経系の両方の活動によって影響される(Berntsonその他、1997)。 これは他の周波数帯の心拍変動よりも圧受容体反射活動により密接に関係している(Bernardiその他、1994)。

1.圧受容体反射は主に大動脈や頚動脈等大動脈血管の圧力の変化によって起こる。圧力が増えるか又は減るかすると、圧受容器がその変化を探知し、この情報を視床中枢に伝達しホメオスタシスを維持する為の反射を引き起こす。

より低い周波数帯(0.005~0.05Hz)での活動は交感神経による調節であり、血管張力と体温の調節を反映しているようである。 複数の周波数帯における心拍変動は自律神経の特定の源に関係しており、精神生理学上これらの周波数帯の心拍の相対的変化は、時には交感神経と副交感神経の勢力的バランスをみるのに使われる。しかしながら、この使い方は完全には妥当ではないかも知れない。 個々の周波数帯における心拍変動は、自律神経の調節による変調過程の反映のようにみえるが、自律神経の刺激活動の結果は常に同じではない。

Porges(1995)は、RSAと心臓の迷走神経刺激は組織的且つ規則正しく分配されていると指摘している。 一例として、新しい刺激を生体が目で見て感知し、その情報の“取り込み”を行う時の順応反射がある。 順応反射においては、迷走神経調節による心拍の減少が起こるが、それはRSAの停止と組織的に関連している(これらの反射は全ての動物で起こり、心拍数の減少は、しばしば認知心理学者によって特定の刺激に対する注意反応の有無の測定に使われている)。
このように、順応反射において心臓に影響を与える2つの迷走神経調節は同時に反対方向に動く。

血圧の上昇は副交感神経反応を引き起こし(たぶん交感神経活動を抑制し)、血圧の下降の場合は逆の反応が起こる。

Porgesは、この現象を“複合迷走神経理論”と名付けた。 彼は順応反射中の心臓除脈は、RSAが迷走神経の心臓への影響が調節されるプロセスを反映する為、一部RSAの停止による変動ではないかと理論付けた。 順応反射中この調節はない為、刺激を受けた心拍数に対する迷走神経の影響は増大し、心拍数の減少を生み出す。 彼は心拍数に対するRSAと迷走神経支配は脳幹のどこか異なった場所で、例えばnucleus ambignusとdorsomotor nucleusで支配されているのではないかと理論付けている。

Porges(1995)は更に、RSAは自己調節に関連している為、温体動物のみがRSAを有していると指摘している。 冷温動物が自己調節の為に太陽を浴びたり避けたりするのに対し、温体動物は内部調節プロセスを行う事を強いられる。 そしてこれらのプロセスは、精神生理学的な振動活動に反映されている。 そのような振動は、ほとんど全ての生理的調節システムにみられる。 血圧と指脈拍容量はともに、心拍数と同じ周波数帯の中で振動がみられる。 ただし、ここでは圧受容体反射効果は低周波帯での活動ではなく超低周波帯(0.005~0.05Hz)での活動に反映されているようにみられる(Vaschilloその他出版用論文)。 Vaschilloは、よく知られた周波数0.1Hzでの振動ピーク(例えばほとんどの成人において10秒間の振動で、低周波スペクトルの中間点と低周波スペクトル内で発生したもっと高い振幅がみられる点)は、圧受容体反射の影響に反応して血管系の順応性により血圧が上昇したり下降したりするのに、5秒間の遅れで反応する。 Vaschilloはさらに、圧受容体反射システムは血圧の振動変化に反応するのであって血管張力レベルそのものに対してではないと理論づけている。

心拍変動がホメスタシス活動(生体の恒常性を保つ活動)を反映しているとする概念を立証する多くの臨床例がある(Hyundman 1973)、これらの活動リズムが存在しないか、希薄か、もしくは複雑さに欠ける時その生体は高血圧(特に左心室肥大が随伴する場合)(Mancia、その他1995)、突然心臓死Goldberger,、その他1991)、左心室不整脈(Rosenbaum、その他1994)、や重度の心臓障害(Peng、その他1992)等の心臓血管障害に起因する死に至るリスクがより大きい。

心拍変動はこれ迄、心筋梗塞後の死の予見(Kleiger, Miller, Bigger & Moss, 1987)、心臓移植後の拒絶反応リスクの予見(Binder,その他1992)や血管造影所見にも使われてきた。 RSA波の振幅は不安もしくはうつ病からくる情緒不安定によって減少する傾向がある(Asmundson, 1994,. Rechlin, その他1994)。それは成人において加齢と逆比例しており(De Meersman, 1993)、生体の恒常性を保つ順応性の低下を示していると考えられる。我々は最近の発表で、これらのリズムの発生と複雑さが、心臓血管安定性確保と生理的及び環境的要求に対する適応性確保のために機能するいくつかの“バックアップ”システムに関連している事を述べた(Giardino, Lehrer, Feldman, 2000)。 今後より多くのこのようなシステムにより、安定性のより以上の増大と調節障害改善が予測されるべきである。

心臓血管システムにおける同調、圧受容体反射機能とRSAバイオフィードバックの“2つの循環ループ”理論:

ロシアの研究家達は、人はバイオフィードバック技術を使って、RSAを随意的に非常に増大できる事を証明した(Chiernigovskaya,その他1990)。 又他のロシアの研究家達によって、バイオフィードバック訓練が、自律神経機能が関係する喘息や高血圧や種々の不安障害等の疾病治療に役立つことが報告されている。 Vaschillo(1984)は、人はRSAフィードバックにより、呼吸に関連する心拍リズム(例えば高周波変動もしくはRSA)と圧受容体反射活動による心拍リズム(低周波変動)の間に同調が起きる呼吸数で呼吸する事を発見した。 圧受容体反射効果に反応する呼吸数で呼吸する時、心拍変動のこれら2つのソース間に同調が起こり、心拍変動の振幅は大きく増大する。 Vaschilloは更に、圧受容体反射刺激の振幅増大は(心拍数と同様、血圧のより大きな振幅変動による)圧受容体反射のより大きな運動を生み出し、最終的により大きな圧受容体反射効率を生み出し、従って自律神経調節活動がより増大すると考えている。

またRSAバイオフィードバックでRSA振幅を随意的に増大させることにより、人は低周波数帯域での呼吸を強いられる事が証明されている(約6回/分)(Lehrer,その他1997)。 これらのデータから、同調は人がバイオフィードバック訓練によってRSA振幅を増大させる方法を学ぶメカニズムであることが分かる。 Vaschillo(1984)は、人は低周波帯の特定の周波数、0.1Hzの辺りでのみ最高の変動振幅を生み出す事ができると記している。 大きなRSA振幅は間違いなくこの周波数帯で呼吸することによって引き起こされ、それはわずかの訓練で行う事ができる。しかしながら彼は、血圧変動におけるバイオフィードバックによって達成出来る最も大きな振幅は超低周波帯で起こる傾向があると述べている。 これらを基礎に、彼は圧受容体反射活動を“2つの循環ループ”システムとしてモデル化した。

Vaschilloの実験例はブラウン管上にコンピューターがつくり出した振動を写し出し、被験者(6人の宇宙飛行士)に彼ら自身の生理的活動で同じ振動をつくり出すよう指示をした。 被験者の心拍数がスクリーン上の一部に示され、彼らはコンピューターがつくり出した洞性波と同じ波形を自分自身の努力でつくり出すよう指示された。 Vaschilloは、心拍数の低周波数帯と超低周帯の間で刺激目標周波数を変えてみた。すると全ての被験者が、低周波数帯で最大変動と最も安定した目標周波数変動が起こった。 彼は被験者の血圧変動も測定したが、これについては測定の為の直接のバイオフィードバックは与えなかった。このように、目標周波数の最大変動は超低周波数帯で起こった。 Vaschilloは変動の最大振幅をみせる特定の周波数を個人の同調周波数と名付けた。

彼の同調理論と同じく、Vaschillo及び他の研究者達は、血圧と心拍変動が特定の周波数で規則正しい位相関係がある事を発見した(Vaschillo, Lehrer, Reshe, & Koustantinov,出版用論文)。

心拍数の同調周波数において、(例えば低周波数帯で起こる周波数振幅のピーク)血圧振動と心拍振動はお互いに180°反対方向の位相で起こった。 このように、バイオフィードバックによる心拍数の増大(減少)と圧受容体反射効果によるより以上の増大(減少)がおのおのの周期で同時に起こる。 血圧の同調周波数では(超低周波数で起こる)、心拍数と血圧はお互いに同じ位相で振動する(0°位相関係)。 この周波数では、圧受容体反射効果は、心拍数に対するバイオフィードバック効果を抑制するが、血圧変動を促進させるようにみえ、これは多分最大点において圧受容体反射に関係する血管緊張によるものだと考えられる(後者の関係については組織的な研究はまだなされていない)。 Vaschilloは心拍数及び血圧の同調周波数が異なるのは、心拍数及び血管緊張に関する圧受容体反射効果が異なるからだと理論づけている。 彼の圧受容体反射活動の“2つの循環ループ理論”を裏付けるには、血圧変動を増大させる為のバイオフィードバック訓練を、血管緊張を直接測定する方法を用いて、より多くの被験者を対象にした調査を行うことが必要である。

バイオフィードバック訓練の為の手順

被訓練者はまず自分の同調周波数で呼吸する事を教えられる。 最初のステップはRSA変動を最大限に増やす為の訓練である。 最初のセッションでは、被験者に4~7回/分の特定の周波数で呼吸させ、呼吸の深さを出来るだけ一定に保たせる(出来れば呼気終了時点での二酸化炭素量を計る)。 その為、目標呼吸数での呼気と吸気のペースが被験者に分かるようコンピューター画面上で上下する光の呼吸ペーサーを用意し、実験中ストレイン(緊張)計測器で個人の反応を測定する。 被験者はコンピューター画面上に呼吸ペーサーで示された指定の呼吸数で呼吸をし、光の上下の動きに合わせて呼気と吸気をするよう指示される。それに続くセッションで被験者はバイオフィードバックを与えられる。 被験者は翌週1日に2回、それぞれ20分間自分自身の同調周波数で呼吸するよう指示される(訓練中、被験者は過度呼吸を避ける為、自然の浅い呼吸をするように注意される)。

次のセッションで、被験者は心拍変動を起こす為のバイオフィードバックを直接与えられ、呼吸に関連して起こる心拍変動振幅を増やすよう指示される。 拍動間隔測定タコメーターを使って記録し、その測定記録を呼吸活動測定記録に重ね合わせる。 被験者はRSA変動を最大限に増やす目標を与えられ、その為心拍振動と同位相で呼吸するよう指示される。

他のディスプレーで、被験者は0.005~0.4Hzの周波数帯で移動する心拍変動周波数分析をみせられる。 ディスプレーは、心拍変動周波数を1秒ごとに更新して表示する。 被験者は同調周波数の辺りで起こるスペクトルパワーピークを増大するよう指示される。 呼吸ペーサーの最高点は1回毎の呼吸に伴うRSA変動に比例するようになっている。 心拍数を示す呼吸ペーサーの天井と底は個々の被験者に合わせてセットされ、個々人の心拍数の上限と下限に合わせて調節されなければならない。

RSAフィードバックの臨床的応用

RSAバイオフィードバックの臨床的効果に関する理論は、同調周波数で呼吸することにより圧受容体反射に大きな変動刺激を常習的に与える練習をし、圧受容体反射を効率的にするという事である。 この方法を、喘息や高血圧や種々の神経障害の治療に使った臨床的例がロシアで出版されている(Chernigovskaya、その他、1990)。 我々は、この技術を使っての喘息の改善例を、ロシアリハビリセンターからの20の連続臨床例のひとつで報告している。(Lehrer、その他、2000)。 しかしながら、これらの研究はコントロールグループを対照にしていない為、観察結果のある部分に被験者選択偏見や、regression to the meanやプラシーボ効果が反映されている可能性がある。喘息持ちの成人を対象にした対照実験のひとつに(Lehrer、その他1997)、RSAフィードバックが訓練セッション中呼吸インピーダンスの大きな減少を起こすことが報告されている。 しかしながら実験対象となった被験者数が少なかった為、一般的な臨床的改善としての評価はされなかった。 このように、この方法は自律神経障害による様々な病状の治療に役立つ事が大きく約束されてはいるものの、その効果を実証するには対照実験を更に行っていかなければならない。

バイオフィードバックと整調呼吸

被験者に1分間に6回の呼吸をしなさいと言う代わりに、特別のバイオフィードバック技術が必要なのは何故か。

Vaschillo(1984)は正確な心拍同調周波数は個々人それぞれに異なると共に(その為、個々人に要求される正確な呼吸数を決める為のバイオフィードバックが必要)、それはある期間にわたって変えられる事を発見した。 我々の臨床的経験から、訓練期間中、変動振幅最大値は減少し、その為人によっては呼吸数の4回/分の近くで最大心拍変動を達成する。 人によってはそんなにゆっくりと呼吸出来ない。 訓練はその為徐々に行わなければならない。 バイオフィードバック技術は、個々人に適した特定のリズムで呼吸させ、ある期間にわたって呼吸と圧受容反射機能の改善を促すようにする。

東洋の呼吸訓練との類似性

東洋のヨガやキゴンや禅の修業は全てゆっくりとした呼吸を伴う。 これらの技術を修得した者は、自分の体の必要性とペースで呼吸する事を教えるが、それは多分RSAバイオフィードバック効果に似ていると思われる。  東洋のこれらの修行は事実、個人の心拍同調周波数で呼吸する点において、RSAバイオフィードバック効果と同じ効果を生み出している。 最近の座禅中の禅僧に関する研究で(Lehrer , 1999)、瞑想中の禅僧は心拍変動の低周波帯もしくは超低周波帯で呼吸している事が分かった。 全ての禅僧はゆっくりとした呼吸周波数でRSA変動を増大させており、 一人の禅僧においては1分間で1回呼吸し、その周波数帯で特に大きな変動振幅をつくり出していた。 この周波数帯は温度調節と交感神経調節を反映するという理論と一致しており、座禅が氷点下以下の状態で行われたにも関わらず、心拍数は上昇し暖かさを感じたとの禅僧の報告がされている。

セラピストの為のインストラクション

呼吸と共に心拍数は上がったり下がったりする。 吸気で心拍数は上がり呼気で下がる。 呼吸によって起こる心拍数の変化をRSA(呼吸洞性不整脈)と呼ぶ。 RSAは、自律神経系全体(心拍数、血圧、呼吸を含む)による調節を助ける為に、体に非常に強力な反射現象を引き起こす。 訓練の目的は、心拍変動の大きさを増大させることにある。 心拍変動の増大は、これらの重要な反射運動を訓練し体のコントロールをより効率的に行う助けとなる。
訓練にあたっては個人のRSAを測定し、呼吸による心拍情報が被験者に与えられる。 これがRSAフィードバックである。 被験者はこの情報をもとにRSAを増やす為の自己訓練を行う。 この訓練を常時行えば自律神経系の調節を行う反射運動を強化することが出来る。これにより毎日のストレスへの対応能力が増し、健康改善につながるはずである。 これらの反射運動の訓練が、様々な肉体的および感情的障害に対処する手助けになる事はこれまでに証明されている(高血圧、不安発作、過度呼吸、喘息、消化器障害)。

世界的な学術研究
軍事への応用

自律神経機能トレーニングはすでに宇宙飛行士や戦闘員のトレーニグプログラムに組み込まれています。

1:ストレス対策(極限の環境を耐え抜く)
2:PTSDの克服

PTSD治療の為のバイオフィードバックとニューロフィードバックの進歩
負傷兵:トラウマの克服
最適パフォーマンス訓練の為のバイオフィードバックプログラム:East Carolina 大学 と米海兵隊負傷兵大隊イーストの共同プログラム

Carmen Russoniello, PhD, LRL LPC,I Matt Fish, BS,l Jennifer Parks, BS, LRT1 John Rhodes, BS,1
Bennie Stover, BS,l Holly Patton,l Ginger Gold, EdD,’and Tami Maes, LRT, BCnCa

イラク戦争の典型的負傷は、外傷性脳損傷とPTSDである。海兵隊員と海軍衛生兵の負傷した帰還兵の症状に緊急に対処する必要から、米国海兵隊とEast Carolina大学の心理学研究所・バイオフィードバック クリニックは合意書を交わし、East Carolina大学は2008年2月から治療・訓練サービスを開始した(因みに米海兵隊の第2師団はノースカロライナ州にある)。
これはバイオフィードバック訓練を使った最適パフォーマンスの為のもので、海兵隊員と海軍衛生兵はバーチャルリアルティー、認知再訓練、ニューロフィードバック、心拍変動、人間関係改善、リジリエンシー回復訓練、等に徐々に慣れていく為のプロトコルに参加する。予備テストの結果は、このアプローチが外傷性脳損傷とPTSD症の改善に効果がある事を示唆している。

背景

米海兵隊は、戦闘に最初に送り込まれる小さなエリート戦闘部隊である。この事は、戦闘で死亡もしくは負傷した人数を統計的にみると頷ける。通常の戦闘とIED(手製爆弾)で多くの海兵隊員がイラクとアフガニスタンで負傷した。戦争における負傷は、弾丸や爆弾の破片による負傷、敵のIEDや迫撃砲による猛烈な衝撃や、接近戦での爆風による極度の肉体的損傷で、悲惨である。これら複数の要素が外傷的脳損傷の大きな原因であり、海兵隊の負傷兵の多くがこれに相当する。

戦場で海兵隊員の医療ケアをするのは海軍衛生兵である。これら「戦場の医師」は、海兵隊員にとって必要不可欠の存在であり、事実、海兵隊歩兵部隊の組織の一部になっている。彼らの主な任務は、海兵隊員を生かし、健康な状態に保つ事である。戦闘において衛生兵は、自らの生命を常に危険に晒して負傷した海兵隊員の場所まで移動してケアする。彼らは任務遂行にあたって、彼ら自身弾丸や爆弾の破片や爆風によって負傷し、PTSDのような戦争からの損傷を蒙ることになる。

初期評価

ストレステストは、ベースライン(基準)となる5分間テスト、20分間の連続パフォーマンステスト(TOVA)、5分間の休憩、5分間のトラウマ的記憶力、5分間の休憩、1分間の起立性高血圧テスト、5分間の休憩、から構成される。測定は、脳波、HRV(心拍変動)、皮膚伝導電流、呼吸、皮膚温度について行った。

認知訓練

PTSDとTBIの改善を成功させるには、認知再訓練と同様にバイオフィードバック訓練が欠かせない。

HRV(心拍変動)バイオフィードバック訓練

RSA(呼吸性洞性不整脈)は、心血管系と呼吸系のリズムの同調を作り出す重要な生理的メカニズムである。RSAを成功させるということは、心臓呼吸バランスの改善を促進するということである。これまで、自律神経失調はいくつかの医学的状態に関連付けられてきたが、事実、糖尿病、心疾患、不安症、うつ病などの慢性的症状の原因となっている(Task Force of the European Society of Cardiology and the North American Society of Pacing and Electrophysiology, 1996)。

RSAは、中枢で調整される心臓迷走神経と交感神経の遠心性の活動を介して、呼吸により調整される。例えば、脈拍数は吸気で増加し、同様に呼気で減少する。
従って、RSAは直接的に呼吸の位相に関連している(Axelrod et al., 1981)。今日の理論では、RSAの改善はおそらく自律神経に関連する状態の改善につながり、病気によるRSAの欠損は、生物学的に重要な振動子間の連結に損傷が起こった結果であるとしている。その為、この連結を回復もしくは増強する介入の開発が推奨された(Wilkinson et al., 1998)。研究チームの一つは、RSA訓練により圧受容体反射興奮が起こり、電気的迷走神経興奮に似た効果を起こす可能性があると示唆している(Vaschillo, Lehrer, Rishe, & Konstantinov, 2002).このことは、臨床的うつ病のような症状に対して低コストで、しかも最低のリスクで効果があるというころになる(Musseleman, Evans, & Nemeroff, 1009)。
RSA訓練が(HRV訓練とも呼ばれている)介入テクニックとしてとして使われた最近の研究で(Karavides et al., 2007)、被験者が自身の同調周波数で呼吸することにより自律神経訓練ができることが証明されている。訓練の結果、うつ症状が軽減されている。被験者はセッション中、同調周波数もしくはその近辺で呼吸することによりHRV(心拍変動)を増加、維持させることができるようになったことをデータは示している。

宇宙開発への応用

ロシア科学院医学的生物学的問題研究所(IMBP)

火星への有人宇宙飛行(MARS‐500プロジェクト)に関する地上実験を2009‐2011にかけて行う

・このプロジェクトの期間中、乗組員の健康評価と健康管理システムを含む、人間の生命維持サポートに関する様々な生物医学的テクノロジーのテストを試みる。このプロジェクトは500日間行われる。特別に選ばれた6人の被験者は、火星までの飛行条件を模した隔離された気圧チェンバーにプロジェクトの期間中入れられる。

・このプロジェクトの一部として、最大50人の被験者を対象に、彼らの日常の環境下でのテストを行う。2つ目のグループは、ヨーロッパ、アジア、北米の異なる地域から選ばれる。2つのグループは最初のグループと同じ方法で、彼らの健康とフィットネスのダイナミズムが定期的に評価される。

・MARS‐500プロジェクトの準備段階として、ロシア科学院はカナダのAutosun Health Technologyと北米のBiocom Technologies と共同で、MARS‐500‐Pと呼ばれるパイロットスタディ‐健常人グループの長期モニタリングにおける人間の生体の適応能力と疾病開発のリスクについて‐を行った。

・このプロジェクトの中で、我々はBiocom Technologies で開発されたHeart Rhythm Scanner 3から得られるデータの信憑性を調べる為、我々が心拍変動評価研究で使うVariCardシステムとの比較調査を3ヶ月かけて行った。Heart Rhythm Scanner 3は、心拍変動解析を使って健康とフィットネスの評価を行う良く知られた方法を基礎にしている。過去40年間、これらの方法はロシア科学院において広く使われ完成されたものとなった。
我々のデータとHeart Rhythm Scannerのデータを比較した結果、両者のスペクトル解析で使った方法が異なる為、R-R間隔のスペクトル解析で得られた幾つかの絶対値指標が異なっていたが、全ての補正値と相対的指標は殆ど一致していた。この結果から、Heart Rhythm Scanner 3は、近代科学の実践で使われている心拍変動解析の既存の標準を遵守しており、正確で、再現性があり、非常に信頼性があると信じる。

・我々は、これらのテスト結果の判断として、Heart Rhythm Scanner 3が非常に安定した性能を持ち、科学的、生理学的、生物医学的観点からみて十分に信頼性がおけるという事を、自信を持って表明できる。

我々は、リサーチャーや健康およびフィットネスに関わる専門家が、健康、フィットネスウェルネス評価など様々なアプリケーションにおいて、Heart Rhythm Scannerが信頼性のあるツールとして使われる事を強く推薦するものである。

Roman M. Baevsky, PhD
Professor, Head of Research Department for Biocybernetics

アスリートに大敵な活性酸素を除去するシステム エアナジー

アスリートは長寿ではなく身体に大きな負担を強いるようなトレーニングを行っているため一般の方よりも老化が進んでいます。
特に格闘家は身体的ダメージが大きくより老化が進んだアスリートと言っても過言ではありません。

活性酸素とは?

酸素が紫外線からエネルギーを得て,酸素原子を構成している電子の最も外側 にある不対電子の回転方向が変わってしまうと,一重項酸素という活性酸素になります。
この一重項酸素が今回のテーマでは重要な活性酸素です。

活性酸素と言ってもいろいろな種類を含んでいますが、今回悪者にされている活性酸素エネルギーを利用した活性酸素除去システムが大きくアスリートの疲労回復や身体能力向上に貢献していることはあまりにも知られていません。
今回のテーマではこのシステムについて述べるとともに最先端のスポーツ医学の一部をご紹介します。

酸素に電子が取り込まれるとスーパーオキサイドという強力な活性酸素になります。
このときにキサンチンオキシターゼという酵素が発生する活性酸素で,これは安定していた酸素の電子 の軌道を変えることによって活性させます。

感染症が起こると白血球が活性酸素を放出して細菌を攻撃します。
活性酸素は通常の酸素の何千倍もの酸化力を持ち,紫外線照射や化学反応によって 生じ,細胞を破壊する作用があります。

しかし活性酸素が出すぎると無差別に細胞を損傷します。遺伝子を損傷すると悪性腫瘍が発生する可能性が高くなります。
過剰な活性酸素を抗酸化サプリメントや抗酸化治療によって不活化する必要もあります。

身近な例をあげますと、酸化とは,リンゴを包丁で切るとその切り口は数分茶に変色するケースが代表的です。これが活性酸素による酸化現象で、レモン汁をつけると酸化を阻止することが可能です。

人間は抗酸化剤の摂取により活性酸素を除去しています。
アスリートは呼吸することで大量の酸素を体内に取り込み,活性酸素を大量に作り出すためそのため内蔵から血液がなくなるといった現象がおこります。アスリートは、過呼吸、精神的・肉体的ストレス、外傷・感染症、体温の上昇などにより活性酸素が大量に発生します。
活性酸素は、病気の多くの原因を占め、身体を酸化し、選手寿命を短くし身体に大きな負担をかけます。したがってアスリートは、非アスリートよりも多くの抗酸化サプリメントを取ることが重要です。

  * ストレスが活性酸素を発生。
  * 炎症が活性酸素を発生。
  * 体温が異常に上がると活性酸素が発生。

酸素を大量に吸入すると寿命が短くなり、運動選手で長寿の人はほとんど皆無です。
アスリートは非アスリートに比較して寿命が短いという報告があります。

蝿の実験でもこれは実証されています。
小さなコップに入れた蝿と,大きなケースに入れた蝿では,その運動量に差が出て小さなコップの蝿は短命になります。
過激なスポーツは多くの場合、細胞が活性酸素作用のために短命になるのです。

乳酸は無酸素運動で発生し、状況によっては活性酸素を増加させます。

抗酸化サプリメントや治療で活性酸素を除去することが大切です。

■ 活性酸素除去方法
過剰になってしまっている活性酸素を減らすには、過剰発生の原因と考えるものを排除し発生を抑制するとともに、既に発生してしまった過剰の活性酸素を除去することです。
除去する方法(抗酸化)は大きく2つ
1) 抗酸化物質を取り込み直接活性酸素と反応して無害な物質に変化させる方法
2) 酵素反応を利用して活性酸素を除去する方法
1)の方法は、抗酸化物質といわれるビタミンC、ビタミンE、β-カロチン、イソフラボン類、カテキン類など抗酸化機能が優れたものを摂取し、活性酸素と反応させ無害な物質に変化させ、過剰な活性酸素を抑制。
しかし、サプリメントや食物からこれらの成分を摂取する場合、消化吸収に時間がかかり、また消化吸収系に何らかの障害を持つ方は、こういったサプリメントや食物からの吸収が難しくなるという弱点があります。
そこで、2)の方法を用いたシステムが『エアナジー(Airnergy+)』(活性酸素除去システム)です。

■ 吸う抗酸化サプリメント『エアナジー(Airnergy+)』(活性酸素除去システム)

アンチエイジング(抗加齢)やスポーツ選手のメディカルサポートに利用しているシステムが、ドイツで開発された、『エアナジー(Airnergy+)』です。
『 エアナジー(Airnergy+)』は、活性酸素に直接働きかける抗酸化機能を有する成分を、呼吸を通じて肺に取り込み、過剰に発生した活性酸素を除去する画期的なシステムです。

『活性酸素除去 装置 エアナジー(Airnergy+)』の仕組みは、

1) 空気中の酸素に特定周波数の紫外線を照射し、瞬間的に(100万分の2秒間)に活性酸素状態(一重項エネルギー)を作り出す。
2) これを水蒸気と一緒に鼻腔吸収により体内に取り込み、不安定な活性酸素と直接結びつき、安定させ無害な物質に変化させます。

この方法では、その酸素が数秒で肺胞から血流に流れ出るため消化吸収に長時間を要するサプリメントに比べ格段に早く直接的に作用します。
常に激しい運動を行っている、プロ野球選手や陸上選手、プロボクサー、過度の緊張を伴うレーサーなどへのメディカルサポートにこの『 エアナジー(Airnergy+)』を活用し大きな成果を上げています。
スポーツ選手だけでなく、日々の生活でのストレスや生活習慣により多くの活性酸素が過剰発生してしまっている方への治療にも効果的です。
また『エアナジー(Airnergy+)』は同時にアロマテラピーを行うことができ、花粉症に効果が期待できます ティーツリーなどのアロマエッセンシャルオイルを吸引することで、花粉症の症状が軽減されます。
『活性酸素除去 装置エアナジー(Airnergy+)』は活性酸素を除去できる唯一のシステムです。

『エアナジー(Airnergy+)』(活性酸素除去システム)の効果と安全性

■ 『エアナジー(Airnergy+)』(活性酸素除去システム)の効果
Point1 『体内における酸素利用の改善』
体内で酸素を利用する細胞の能力は、加齢、病気、ストレス、運動不足、環境悪化等といった要因で低下します。体内における酸素利用が不十分だと、身体再生能力が下がり、様々な身体の故障が生じます。新陳代謝もうまく機能し ません。酸素利用を改善することは、身体機能の改善、健康回復につながります。

Point2 『抗酸化力を高め活性酸素を除去』

通常、活性酸素は我々の体の中にあり、生命には欠かせないものですが、過剰に生成されると、機能障害や病気、 DNA損傷を引き起こします。
美容面では、老化の原因となり、シミやしわといった老化を引き起こします。 エアナジー(Airnergy+)を使用して過剰に生成された活性酸素を減らすことで体内の活性酸素作用を正常にし、健康予防になり、アンチエイジング(若返 り)効果もあります。
Point3 『乳酸値を下げる』
疲労が溜まると乳酸値も上がります。乳酸値を下げることで疲労回復します。 エアナジー(Airnergy+)は、疲れた筋肉や脳を休ませる作用がありアスリートはハードなトレーニングの後、回復が早く、体力、筋力、持久力がアップします。受験生などは勉強に疲れているときに活性酸素除去 装置 エアナジー(Airnergy+)を使用するとリラックス効果があり、集中力がアップします。

上記の写真は、凝固血液を顕微鏡で観察したものですが、白く抜けている部分は活性酸素を表します。エアナジー 20分間吸引後 活性酸素減少がわかります。
エアナジー(Airnergy+)は全ての人に重要な効果があり、体内で酸素を有効利用し、身体機能を高めます。
健康増進目的、難治性疾患、若返りを期待する女性、仕事や勉強などで疲労回復を目的として、活性酸素除去 装置 エアナジーは(Airnergy+)は老若男女問わず、幅広く使用されています。

『エアナジー(Airnergy+)』(活性酸素除去システム)の安全性

高濃度酸素を補給するものに比べ、 エアナジー(Airnergy+)の酸素は通常の空気と同じ濃度(21%)です。
高濃度酸素の補給は、強制的に酸素を体内に送り込むもので、活性酸素の生成が増大する恐れがあります。エアナジーは自然界で普通に呼吸しているのと同じですので、負担がありません。
 子供から癌や膠原病を患っている方、※妊婦でも使用できます。
 国内では主として医療機関で治療にも使用されています。

※妊娠されている方ではエアナジー(Airnergy+)でアロマセラピーと併用する場合、アロマの種類によっては不向きなもあり、医師の管理下で行います。アロマを使用せず、通常のご利用には、全く問題はありません。
最近の研究では自律神経機能向上に役立ちストレス除去やアスリートの試合前のリラックス状態を作り出す目的でも使用されています。

これまで私どもでは世界的なアスリートの支援やケア、コンディショニングをこのエアナジーを使用して行ってきました。
アテネ5輪7種競技日本代表 中田有紀選手がこのシステムをオリンピック会場へ持ち込み、寺尾悟選手がトリノオリンピックへ持参してコンディショニングと疲労回復に努めました。
フォーミュラニッポン王者やNASCARレーシングドライバーのコンディショニング、多くのプロ野球選手の疲労回復にも使用しております。

日本最速WBC世界スーパーフライ級王者  名城信男選手も世界タイトル奪取した試合前にはエアナジーを使用してコンディショニング、リラクゼーションを行いました。
F1で活躍するレーシングドライバー ニック・ハイドフェルド選手、2009年総合王者 ジェイソン・バトン選手もエアナジーでコンディショニングしていることは有名です。
当社 専務取締役で現役レーシングライダーとして2010年全日本ロード選手権総合王者 秋吉耕佑選手もレース前後にエアナジーを使用してコンディショニングを行い偉業を達成しました。


最先端治療  PRP療法

最近自分の血小板を用いた若返り治療法が注目を集めています。PRP治療法はいわゆる再生医療の一分野です。
日本の政府や再生医療を進める団体は再生医療の研究を「細胞移植・組織移植により、これまで不可能であった変性疾患の根治を目指した革新的医療技術である」。と定義しています。

つまり 使えなくなったり、老化したりした体の一部を、「再生」させて蘇らせようという医療のことで、例えば、火傷で傷ついた皮膚の代わりに、人工皮膚や自分の皮膚を培養した物を使ったりする治療や、白血病患者さんに骨髄移植したりする治療が有名です。つまり自分自身の細胞や他人の細胞、あるいは他の動物の細胞に対し、細胞の外から何らかの工夫を加えてその細胞の持っている能力を身体の中で発揮させ、機能を回復させる治療法です。

現在、ほぼすべての組織・臓器の再生が臨床応用を目指して研究されています。しかし、実際にわれわれの目に見えるものとしては皮膚、軟骨、血管、などに限られています。

再生医療の最新の動き

文部科学省は、これまで禁止されていたヒトES細胞、ヒトips細胞およびヒト組織幹細胞から生殖細胞を作成する研究を解禁しました。
これにより京都大学の中山先生などによる先進的な研究が、各大学、研究機関で進んでいます。
ヒトES細胞等を分化させて生殖細胞を作成することが可能になれば、生殖細胞の成熟・分化機構の検討が可能となり、多くの疾患の原因解明や新たな診断・治療方法の確立につながります。

再生医療とPRP

自己細胞を利用した組織再生と若返りを行うものに自己血小板を用いたPRP注入療法があります。PRPとはPlatelet Rich Plasma (多血小板血漿)の略でこの治療法は自分の血小板の濃度を高めて使用することから正式には多血小板血漿注入療法と呼ばれています。

この治療法は自分の血液から採った血小板を使うため拒否反応がなく、病気がうつる心配もない安全な方法です.
PRP注入療法による組織の若返りやしわの軽減などの美容分野への応用は2006年に日本で初めて開発されました。 
血小板な血液の中に含まれる細胞の一つです。血液は血球と液体成分の血漿からなり、血球には赤血球、白血球、血小板があります。赤血球は約120日生存しますが、血小板は約7日ほどです。血小板は直径2μと赤血球、白血球などに比べて小さく、数も血球全体の1%程度です。

血小板は2つの働きを持っています。
1つは止血効果(出血を止める働き)で、2つめが創傷治癒効果(できた傷を治す働き)です。

血小板を利用した治療の歴史

血小板を用いた治療はアメリカ・マイアミ大学の外科医であるロバートマークス博士らが中心になり1990年ごろから始められました。マークス博士はその著書の中で「1990年代の初めから今日までに、血小板に含まれる増殖因子は創傷治癒の驚くべき力を持っていて、血小板がすべての人間の創傷治癒を開始する重要な細胞であることが発見された」と述べています。

血小板がなぜ傷の治療や若返りに効果があるのか。

血小板は、内部の貯蔵類粒を特っていて、貯蔵顆粒は3種類の顆粒、(1ysosoma1顆粒、dense顆粒、alpha顆粒)から成り立っていて、alpha顆粒には増殖因子の貯蔵がされています。 血小板は血管中を循環している間は休眠状態(不活性)ですが、傷が出来ると活性化し、まず止血のために凝固を促進し、そして傷の治療の為、組織修復に必要な増殖因子を放出します。

血小板から放出される増殖因子にはそれぞれ役割を持った次のようなものがあります。

1.血小板由来増殖因子

PDGF-aa, PDGF-ab PDGF-bb

細胞の再生を刺激
血管の形成の促進
上皮細胞の形成促進
肉芽形成の促進

2.トランスフオーミング増殖因子
TGFβ1、TGFβ2
細胞外マトリックスの構築促進
骨細胞の代謝調整

3.血管内皮増殖因子-VEGF

血管形成の促進

4.上皮増殖細胞-EGF

細胞の分化促進
再上皮化、血管形成、コラーゲンの産生の促進

5.繊維芽細胞増殖因子-FGF

内皮細胞と繊維芽細胞の増殖促進
血管形成の刺激

PRP療法とそのメカニズム

PRP療法は血小板が持っている、傷を治し、組織を修復し若返らせる力を、増加、加速促進させる治療法です。高濃度の血小板(PRP)を作り、創傷治癒をさらに促進させるように働かせます。そのためには高濃度の血小板の採取とその活性化が必要になります

血小板に合まれたα頴粒は凝固開始から10分以内に分解、1時間以内に増殖因子前駆物質の90%以上を放出します。血漿に合まれているフィブリンとフィブロネクチン、および血小板のα頴粒から出たビトロネクチンが、強力に作用し組織再生が著しく促進されます。

大きな治療効果に必要な血漿の血小板数については色々な意見がありますが百万μLまたは通常の血小板数(20万/μL)の4~7倍で臨床上効果があると言われています。

人の血液中の血球は普通、赤血球が96%、白血球が3%、血小板が1%程度です。PRPは血小板の濃度が約94%~96%で残りは少しの赤血球と白血球です。血小板の数を増すことで、治癒に有用な影響を及ぼす増殖因子の作用を強めるのがPRPの使用の意義です。

PRPは血小板の濃縮液なので、それは同時に傷の修復の過程で積極的に血小板から放出される7つの基本的な蛋白質成長因子の濃縮液です。

これらの7つの成長因子は、血小板成長因子の3つの異性体、PDGEαα,PDGFββ 及び PDGFαβ、と2つのトランスフォーミング成長因子、TGFβ1 とTGFβ2、血管内皮増殖因子、VEGF及び上皮成長因子、EGFです。

PRPはどのように機能するのか

PRPの作用は血小板中のα顆粒が放出する成長因子によります。これらの成長因子の放出は、凝固反応の過程で開始され、凝固開始後10分以内に始まります。その時点で合成されていた95%以上の成長因子は1時間以内に放出さます。
ほとんどの成長因子と同じように血小板中のα顆粒中の成長因子は働き出すまでには一定の過程が必要で、その過程で生物的活性を持った完全なものとなります。

今までの研究で、PRP中の成長因子が働きだしその結果、成人のヒト間葉幹細胞、hMSC, 繊維芽細胞,骨芽細胞、上皮細胞、および表皮細胞などで、通常の細胞の増殖、マットリックスの形成、骨の形成、コラーゲンの合成などが起こることが分かっています。

PRP を作るには遠心器を使用し作業は清潔下で行われ、また血小板を赤血球やその他の成分から高速化で分離し、しかも血小板を壊したり傷つけないように抽出します。壊れた血小板は成長因子を積極的に放出することが出来ません。またPRPは新鮮な自己由来のものが必要で、凍結乾燥した血小板を使用しても、活性のある成長因子は得られません。

PRPの美容と若返りへの応用の実際と症例

PRP注入による皮膚組織の若返り治療法は自己の細胞を利用するため、この療法を自己細胞による若返りを意味するACR療法(Autologus Cell Rejuvenation,)とも言われています。

ACR療法(PRP注入療法・多血小板療法)は2つ目の、血小板が傷を治す効果を応用した治療法で、老化した顔の皮膚細胞を再生し、肌全体の若返りを図ります。しかも自分自身の血液を20cc程度利用するだけですから、特に副作用もなく、アレルギー反応もありません。治療効果には個人差がありますが、おおむね1~3ヶ月程度かけて肌状態の改善が実感できます。効果も1-2年程度持続します。

(PRP注入療法・多血小板療法)の特徴
コラーゲン・ヒアルロン酸では得られない治療効果!
*しわ・たるみ・きめの改善
*安全・簡単
*自分の力で蘇る
*腫れや・内出血などダウンタイムもほとんど無しですぐにお化粧も可能

ACR療法(多血小板療法)での治療可能部位
* 目の下の小じわ
* 目の下のクマ・ふくらみ・たるみ
* ほうれい線
* おでこのしわ
* 唇の縦じわ
* ニキビ・ニキビ痕
* 肌の張り
* 火傷
* 皮膚外傷
* 皮膚壊死
* テニス肘
* ゴルフ肘
* 肉離れ
* アキレス腱障害
* 靭帯損傷
* ガングリオン
PPRP療法の流れ

PRP療法まず自分の血液を20ccほど採血します。
最近、非常に安全で性能のよい良いPRP作成用のマイセルキット、(My Cells kit)がイスラエルから発売されました。これによりクリニックでも安全にPRP療法が出来るようになりました。マイセルキットはアメリカのFDAおよびヨーロッパCEマークを唯一取得した非常に安全性の高いものです。
高品質のPRPキットでFDAが生体内投与を認可しました唯一の製品です。
採血された血液は遠心分離され、血小板を含んだ血漿部分と、赤血球とにゲルセパレーターの働きで分離されます。この血漿の下の部分約1ccに高濃度の血小板が集まっていて、この部分をPRPと呼びます。この部分のみを注射器に取り治療に使用します。

資料提供:株式会社ベリタス

PRPキット
PRPが 有効に働く為には採取された血小板が破壊されずに生きていて、血小板が有効に働き、皮膚再生が行われる為には、活性化されて増殖因子が放出される必要があります。
マイセルキットで採取されたPRPの注入法は、真皮内及び皮下組織に細い注射針を使って細かく点状に注入する、メソセラピー法と、法令線などに沿って線状に注入する方法とがありますが、どちらも1か所0.05cc~0.1cc程度です。
特に目の下の小じわやたるみの完全効果が大きく、額、眉間、ホウレイ線、首のしわなどに注入します。

マイセルによるPRP臨床注入効果症例

PRPの他領域への応用

安全で臨床効果の優れた自己の血液を使うPRP療法は美容分野のみならず
歯科領域、関節炎、腱鞘炎など整形外科分野への実用化がすでに米国を中心に進んでいます。又、皮膚移植、やけど治療、動物の治療への応用など今後ますます活発に研究と実用化が進むと思われます。

国内では、アンチエイジング治療として美容分野へ導入され広く普及しておりますが、施術者の能力や使用するキットの質により効果も大きく異なる場合があります。
当社では、豊富なPRP臨床症例とアスリートケアの経験から 国内でも今後普及すると考えられる PRP療法のアスリートへの臨床実験・研究をスタートしました。
慎重にその経過と効果、手技、注入量、注入部位、プロトコールを検討し、株式会社 ベリタス 様ご協力によって順天堂大学医学部 総合診療科 小林弘幸教授の下、臨床研究を進めています。
すでに海外ではNBA、メジャーリーグで活躍するトップアスリート、オリンピック金メダリストらがPRP療法を導入して故障のケアを行っています。
タイガーウッズ選手もオフィシャルにPRP療法によるアキレス腱断裂の治療や靭帯損傷の治療を行っていることを公表しました。
当社では、国内で初めてPRP療法を美容目的以外でアスリートのアキレス腱周囲炎の治療としての研究を行いました。
陸上男子110MH アテネ、北京五輪日本代表で元日本記録保持者の内藤真人選手が北京五輪以前からの強いアキレス腱痛に悩み アキレス腱へのPRP療法を受け劇的に痛みが改善し2010年の日本選手権大会の出場も可能となり5位入賞しました。ロンドンオリンピックへ向けチャレンジが続きます。今後も疼痛改善のみならずアキレス腱の根本的治療にもPRP療法を継続することを強く希望されています。
内藤選手からの紹介で 世界陸上男子400MHで2度の銅メダルを獲得した為末大選手もPRP療法を故障したアキレス腱と膝蓋靭帯へ行いました。
ほかにも日本を代表するアスリートが疼痛の改善、可動域向上など効果を実感して競技に復活しています。
ドーピングにならない画期的な治療法としてますます国内で注目を集めることになると予想されます。
将来的には肉離れや骨折、捻挫、突き指・・・といった一般的な怪我にもPRP療法が普及するかもしれません。
火傷や皮膚外傷で大きな治療効果を期待でき、実際、当社でも難治性の3度熱傷への治療研究としてPRP療法を行い目覚ましい効果が見られた症例を経験しました。
ガングリオン、外科手術後の傷口のケアにも使用されるようになるでしょう。
遠い医療と考えられていました再生医療ももうすぐ身近になります。
ご期待ください。

陸上短距離運動選手における心拍変動解析による自律神経機能評価と白血球分画の検討

Evaluation of autonomic nervous system by heart rate variability and differential count of leukocytes in athletes

Key words:心拍変動解析 heart rate variability、コンディショニング conditioning、白血球分画 differential count of leukocytes

末武信宏1.2、森田有紀子2、小林弘幸1、鈴木大地3

1.順天堂大学大学院医学研究科 病院管理学
〒113-8421 東京都文京区本郷2丁目1番1号
FAX:03-3813-3622
TEL:03-3813-3111 

2.さかえクリニック
〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦3-5-21 錦HOTEIビル 2階
TEL:052-953-9676
FAX:052-953-7810

3.順天堂大学スポーツ健康科学部スポーツ科学科
〒270-1695 千葉県印西市平賀学園台1-1
TEL:0476-98-1001
FAX:0476-98-1011

国内トップアスリートである陸上短距離運動選手の短時間全力運動前後の身体的状態を、自律神経機能検査、血液生化学検査、白血球分画検査、乳酸値測定を行い得られた結果から選手のコンディショニング定量評価法を検討した。
また、運動前、運動10分後のデータに統計学的分析を加え回復期における陸上短距離運動選手の自律神経機能を検討した。
白血球分画において運動前後に変化する白血球の割合の増減から好中球と交感神経、リンパ球と副交感神経の関連1)の可能性も確認し、この実験結果から陸上短距離運動選手において自律神経機能のパラメータ、白血球分画が有意に短時間全力運動前後で変化することが分かった。

Ⅰ.はじめに
アスリートにとって、常に良いコンディションを保ってトレーニングを行うことは大変重要なことである。
また、アスリートは日常的に高強度・長時間・高頻度のトレーニングを実施している。このため激しいトレーニングの繰り返しが身体的疲労に併行して精神的疲労を生じさせることになる。
トレーニングを行う上でコンディショニングは重要なファクターでありオーバートレーニング症候群2)発症を防止するうえにも必ず考慮すべきことである。
しかし、これまでコンディショニングとして血中乳酸値の測定による身体的疲労評価、POMS(Profile Of Mood State)を用いた精神的疲労評価を行われてきたが十分な評価が必ずしも得られていない。
アスリートのコンデショニングを評価する手法として、今回我々は、心拍変動解析3)による自律神経機能定量評価4)5)を提案する。
これまで行われてきたコンディショニングの検査と比較して、より具体的にアスリートの身体情報を得ることが可能となった6)。
心臓の拍動は、自律神経によってリズムの調整がされており、自律神経は、交感神経と副交感神経とからなり、両者は拮抗的に働く。
交感神経は、緊張や興奮など何らかのストレス状態になったときに優位となり、反対に副交感神経が優位のときは、心臓の働きは抑制される。
したがって、心拍数やRR間隔変動(心拍変動)を測定することにより自律神経の影響、さらにそれを変化させる原因となっている精神的な安定度やストレスの程度などを類推することができる(心拍変動解析)7)8)。
また同時にこれまでアスリートのコンディショニング検査として普及している 血液生化学検査(Aspartate Amino Transferase (AST)、Alanine Amino Transferase(ALT)、Lactate Dehydrogenase (LDH)、Creatine Kinase (CK)、腎機能及び蛋白質代謝の変化を把握するためにBlood Urea Nitrogen (BUN)、)糖代謝状況を把握するために血中乳酸値、最近、自律神経機能と関係が指摘されている白血球分画(好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球)を検査した9)。安保は白血球が自律神経支配を受けていることを報告している10)。即ち、白血球主要成分である顆粒球ではアドレナリン受容体が交感神経刺激により、またリンパ球ではアセチルコリン受容体が副交感神経刺激で活性化する11)。
白血球には生体防御活動を行う二大防御細胞が存在し、外界から侵入する細菌や異物を貪食する顆粒球やマクロファージ等の食細胞とウイルスや異種タンパクの侵入に対し、抗原―抗体反応や細胞障害反応にて攻撃するリンパ球である。今回、我々は、顆粒球の代表的な好中球とリンパ球の比率に注目した。
自律神経パラメータの推移と白血球とリンパ球の比率を陸上短距離運動選手の全力もも上げ運動前後で測定することにより、陸上短距離運動選手の肉体的・精神的疲労の新しい指標となる評価法を探り、コンディショニングの評価指標の可能性についての検討と提案を試みた。
Ⅱ.対象と方法
Ⅱー1.対象
研究対象は、20歳代の現役陸上短距離運動選手 5名(27±1.4歳)で、全員陸上県選手権大会入賞以上の実績(全員2009年度の自己最高記録が日本ランキング20以内の選手であり1名は女子、他4名は男子)を持つ陸上短距離運動選手 5名とした。
全被験者の1週間の練習スケジュールは週1日の休養、週5日間の1日3時間以上のサーキットトレーニング、ウエイトトレーニングを行って日曜日は主に競技会、記録会への出場である。
被験者全員1週間に5日以上、1日3時間以上のフィジカルトレーニングを行っている者であった。
また、本研究は全ての被験者へ研究の目的及び内容、実験の具体的な運動など参加することによる身体的・精神的負担をできる限り詳細かつ、具体的に説明した。さらに、競技会への影響がないように実験日時を調整し、参加することに同意が得られた者を対象とした。被験者は実験前には軽いウォームアップを普段通りに行い、体調不良がないことを確認した。被験者全員は非喫煙者であり,高血圧,高脂血症,心血管疾病と糖尿病などの疾患に躍っておらず,心血管機能に影響する薬剤、また睡眠薬や抗不安薬など精神的な影響を与える薬剤を服用していない者を対象とした。実験当日、体温37℃以内で強い疲労感を感じておらず、前日の睡眠時間は6時間以上でアルコールを摂取していない者を対象とした。測定前 3時間以上 被験者には飲食を禁止し、測定前に排尿を行い膀胱内に尿が貯留していないことを条件とした。運動前は坐位にて20分間以上の安静状態を確認して測定を行った。この時の呼吸数は毎分13回程度に保つように規定した。
Ⅱ-2.方法
心拍変動解析:心拍数やRR間隔変動(心拍変動)を測定することにより自律神経の影響、さらにそれを変化させる原因となっている精神的な安定度やストレスの程度などを類推することができる。RR間隔とは、心電図の波形で一番大きくスパイク状に出るR波と次のR波までの間隔のことである。このRR間隔変動をスペクトル変換したときの高周波成分(>0.15Hz)を「HF」、低周波成分(0.04~0.15Hz)を「LF」と呼び、HF成分は、心臓を支配している自律神経の副交感神経の活動のみを反映するとされている。また、HF成分は通常、呼吸性洞性不整脈に対応する。したがって、その周波数は呼吸の周波数に等しい。一方、LF成分は、交感神経と副交感神経の両方の活動を反映するとされている。そのため、HF成分とLF成分の比率が、交感神経および副交感神経の活動指標となるとされている。一般に、LF/HF比を交感神経の活動性の指標とし、HFを副交感神経の活動性の指標とする。周波数領域解析のパラメータは、高速フーリエ変換法(FFT)により計算されたパワースペクトルから算出される12)。この実験では周波数領域分析パラメータ であるvery low frequency (VLF)、high frequency (HF)、 low frequency (LF)、 LF/HF比、 及びTotal Powerを測定項目とする。全力もも上げ運動前と運動10分後に血液生化学検査としてAST、ALT、LDH、CK、血糖、BUN、そして白血球分画、血中乳酸値を検査した。この場合、HF、LFはHF Norm(HF補正値)、LH Norm(LH補正値)を示し、補正値を用いて統計的検討を行う。
HF Norm=HF/(Total Power-VLF)×100
LF Norm=LF/(Total Power-VLF)×100
この補正はVLFの変化による影響を最小限に抑え、それぞれ副交感神経活動、交感神経活動による変化を強調するものである。VLFは虚血性心疾患の患者の予後を予測する上で重要な因子と近年注目を集めている13)。しかし、VLFは交感神経機能の非常にゆっくりしたメカニズム全体の活動を示すものとされているが生理学的メカニズムは不明の点も多い。よって今回の測定では取り除くべき成分と考え補正値の数値で統計学的検討を行うものとする。
運動前、被験者は静かな部屋で安静坐位時に ヨーロッパ心臓病学会と北米ペーシング電気生理学会(The European Society of Cardiology and The North American Society of Pacing and Electrophysiology)によって提唱された短時間心拍変動解析のアルゴリズムを採用しているソフトウエアを組み込んだ 心拍変動解析システム Heart Rhythm Scanner(Biocom社)を使用して測定を行った。右耳垂部にPhotoplethysmography(PPG)モニターを装着し5分間の心拍変動を測定し解析を行った。運動後も同じ部屋において同じ椅子で安静坐位にて測定を行った。PPGモニターはBiocom社製 HRM-02脈派センサーを使用した。PPGモニターは、光源とフォトセル(光をエネルギーに変換する)からなる変換機上の両方に耳垂部が接するように置くことによって機能し赤外線の光線はフォトセルに向かって発射される。耳垂部の中の血管の血液流量変化は心拍間隔に関連しているためPPGモニターにより脈波が測定可能となり心拍変動のデータを得ることができる。時間帯は心拍変動変化が少ない午後0:00~6:00の間に室温24℃、湿度60%の室内で定位置にて短時間全力運動として全力もも上げ運動 を 1分間2セット 1分間のインターバルで実施した。全力もも上げ運動中は担当トレーナーが、かけ声をかけ途中でもも上げ運動のスピードを緩めないよう、全力でのもも上げ運動維持をしっかり管理して被験者が疲労困憊に至るよう実施した。1分間のインターバル中は立位にて安静を保った。運動終了後は仰臥位にて10分間の安静回復を行った。運動10分後に運動前に測定、採血を行った安静坐位の状態で運動10分後の自律神経機能測定及び定量評価を行った。運動後の自律神経機能測定の際には、できる限り呼吸を一定に保つように指示した。運動前後、同一側の肘正中皮静脈より採血を行った。採血した血液検体は、株式会社 ファルコバイオシステムズへ検査項目の測定を依頼した。また、運動直後に主観的運動強度を聞き取り調査した。実験における運動後のすべての検査・測定は室温24℃、湿度60%の部屋にて安静坐位で行った。
血液生化学検査、白血球分画、乳酸値:運動実施に伴うエネルギー代謝の状況を観察するためBlood glucose (BG)、筋組織の炎症や損傷状況を把握する目的でAspartate Amino Transferase (AST)、Alanine Amino Transferase(ALT)、Lactate Dehydrogenase (LDH)、Creatine Kinase (CK)、腎機能及び蛋白質代謝の変化を把握するためにBlood Urea Nitrogen (BUN)、糖代謝状況を把握するために血中乳酸値、自律神経との関係が考えられる白血球分画(好中球、リンパ球)を検査した。
Ⅱ-3.統計処理
実験で得られたデータは運動前後の変化を、対応のあるt検定で解析を行い、p<0.05を有意差あり、と判定した。解析ソフトは、PASW Statistics 17.0 (SPSS Inc.) を使用した。 Ⅲ.結果 Ⅲ-1.心拍変動解析  (図1~図5) 全被験者の安静時における、自律神経機能のパラメーター Total power 、very low frequency(VLF)、high frequency (HF)、low frequency (LF)、LF/HF比はすべて基準値内であった。 安静時の5人の陸上短距離運動選手の全力もも上げ運動前と運動10分後の Total Power、VLF、LF Norm、HFNorm、LF/HF比の平均値の比較である。Total power(p<0.05)、LF(p<0.01)、LF/HF比(p<0.05)はいずれも有意に減少していた。HFは有意に増加(p<0.05)していた。VLFは有意ではない(p<0.1)が減少傾向が認められた。 Ⅲ-2.血液生化学検査、乳酸値 運動前後の血液生化学検査、乳酸値はすべて基準値内であった。Creatine Kinase (CK)を除いて血液生化学検査の運動前後の値の変化の有意差は認められなかった。短時間全力運動10分後に、Creatine Kinase (CK)、血中乳酸値、は有意に増加した14)(p<0.01)。 Ⅲ-3.白血球分画  (図6~図7) 白血球分画での好中球、リンパ球の比率はすべて基準値内であった。5人の陸上短距離運動選手の全力もも上げ運動前と運動10分後の好中球、リンパ球比率の平均値の比較である。好中球比率は運動後に有意に低下(p<0.01)、リンパ球比率は運動後に有意に増加(p<0.01)した。 Ⅳ.考察 多くのアスリートの他覚的コンディショニング指標を測る目的でとして血液検査、心理テスト、自律神経機能検査などが行われている。アスリートにとって自律神経が運動時に重要な役割を果たすことは明確である。これまでも様々なアスリートにおける心拍変動解析による自律神経機能評価の報告がみられる15)。しかし、最近では自律神経と白血球の関連が報告されているにも関わらずスポーツ分野においてこの関連が検討されることはこれまでほとんどなかった。運動後に白血球が増加することは知られている。運動前後の白血球分画の変化の報告はある16)が自律神経との関連を検討した報告はなかった。今回の我々の研究ではアスリートの運動前後の自律神経機能定量評価に加えて白血球分画にも注目し検討を加えた。 今回の実験では日常的に高頻度、高強度の運動を行っているアスリートを対象にしたため疲労困憊の状態に被験者を誘導する目的で全力もも上げ運動を運動負荷試験として選択した。全力もも上げ運動後は著明に血中乳酸値の上昇を認めており本研究の全力運動後は他覚的にも被験者が疲労困憊の状態になったことを示すものであった。自律神経のTotal powerは運動後有意に減少しているがこれは、大きな身体的ストレスにより一時的に自律神経機能に抑制がかかったと考えられる。慢性疲労的な状態であるオーバートレーニング症候群でも自律神経機能低下がすでに報告されており、同様の状態が想定されTotal powerが低下した状態でのトレーニングを行う場合、注意が必要である。本研究においてLFが運動後に有意に減少しているのは、交感神経活性は最大運動により亢進するが、心臓の圧受容体調整が抑制され、その結果LFは減少する。つまり、LFは交感神経成分のみならず圧受容体反射にも依存しているためと考えられる。短時間全力運動により急激な心拍数増加により交感神経緊張状態を改善するため運動10分後に副交感神経活動が増加すると考えられる。今回の運動後の測定は回復期と考えられる短時間全力運動後10分後に行った。アスリートにとって全力運動によって急激に上昇した心拍数を低下させることは大きな意味を持つ。急激に変化した身体状況を一定に保持する自律神経機能の変化は非運動選手に比較した場合、差がでると予想される。今回の実験対象はトップアスリートである陸上短距離運動選手を被験者としたが非運動選手の場合は、一般的に副交感神経活動がアスリートに比較して低いことが指摘されている。このため短時間全力運動後の自律神経機能のパラメーターは異なる結果が予想される。また、今回の実験で3日間に及ぶ大学陸上競技大会に主力選手として出場し精神的にも肉体的にも疲労した状態で参加した陸上短距離運動選手1名が残念ながら研究被験者の対象外となった。この陸上短距離運動選手は、安静時の自律神経機能結果が標準値を下回り自覚症状もあったが実験前に申告せず本実験の被験者となった。この運動選手の検査結果では副交感神経活動が運動後も低下した状態が継続していた。このことは、オーバートレーニング症候群のアスリートへさらに負荷をかけるトレーニングは自律神経機能の回復を遅らせる可能性があると考えられる。アスリートは非運動者に比較して安静時に副交感神経緊張が有意に高いとこれまでも報告されているが、運動後の回復も副交感神経緊張によることが大きいと考えられる17)。一般的に心拍変動による心臓自律神経活動評価の原理は、走っている車の速度の変化からアクセルとブレーキの操作を推定することに例えられる。車の速度の変化は心拍変動に、アクセルとブレーキの操作は心臓に対する交感神経活動と副交感神経活動に対応する。アスリートにとって急激に上昇した心拍数を安静時に急激に調整するために副交感神経緊張状態を高くすることは意味がある。今回の実験で交感神経の活動指標であるLF/HF比が全力もも上げ運動10分後に低下し副交感神経の活動指標であるHFが運動10分後に上昇するという結果が得られたが、この結果は白血球分画における好中球とリンパ球の割合の増減と一致している。自律神経と白血球の関係が指摘されているが、安保が報告しているように交感神経は顆粒球、副交感神経はリンパ球との活動が影響を及ぼしている可能性がある18)。アスリートにおいて、短時間全力運動前後に、有意に心拍変動解析のパラメーターの増減、白血球分画の変化を認めたことは心拍変動解析による自律神経機能定量評価や白血球分画のチェックはアスリートのコンディショニングやアスリートの身体能力評価指標となりうる可能性がある。特に好中球とリンパ球比率の変化は自律神経機能同様、有用な指標になる可能性がある。 今回の実験の被験者は陸上短距離競技におけるトップアスリートであり運動後の自律神経機能の回復能力に優れていることが予想された。しかし、非運動選手の場合は、運動後の回復期の自律神経の状態がアスリートとは異なることが予想される。本研究の実験日は、陸上短距離運動選手の競技会シーズン中であり、日本ランキング上位の国内のトップ選手の多くを被験者とすることには困難な状況であった。実際に実験を承諾した数名の被験者も日常のトレーニングによる疲労から実験をキャンセルした。身体へ大きな負担が予想される実験のため倫理的にも競技会への参加や選手個人のトレーニングを妨げない配慮を行った結果、当初予定していた被験者数を下回ることになった。今回の実験では被験者が陸上短距離運動選手であったが異なる競技の運動選手の場合、違う結果が得られる可能性もあるが、陸上短距離運動選手は最も基本運動を行うアスリートであり急激な心拍数の変動が得られることで被験者に選定した。また、今回の被験者では、運動前後のパラメーターの変化に個体間のばらつきがあり、今後慎重に症例を増やしての更なる検討を要す。コントロール群との比較、運動強度を変えての解析や、運動後に介入をおこなった場合の変化なども検討したい。

参考文献

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Evaluation of autonomic nervous system by heart ratevariability and differential count of leukocytes inathletes

Nobuhiro Suetake1,2*, Yukiko Morita2, Daichi Suzuki3, Keiko Lee1, Hiroyuki Kobayashi1
1Department of Hospital Administration Juntendo University School of Medicine, Hongo, Bunkyo-ku, Tokyo, Japan
2Sakae Clinic, Nishiki Hotei Bldg.2F, Nishiki, Naka-ku, Nagoya-shi, Aichi, Japan; *Corresponding Author: nobu666@d1.dion.ne.jp
3Department of Sports Science Juntendo University Graduate School of Health and Sports Science, Hiraga gakuendai, Inba-mura,
Inba-gun, Chiba, Japan

Received 22 May 2010; revised 15 June 2010; accepted 2 July 2010.

ABSTRACT
Top Japanese sprinters were evaluated for their physical condition, autonomic function, blood chemistry, differential leukocyte count and blood lactate level before and after short, maximal exercise to explore methods of quantifying their conditioning level. Statistical analysis of data obtained before and 10 min after exercise were used to estimate the athletes’ autonomic capacity during recovery. Pre and post exercise variances in differential leukocyte count revealed strong correlations between neutrophil and sympathetic activity, and lymphocyte and parasympathetic
activity. The results of the study demonstrated significant alterations in autonomic parameters and differential white blood cell count in response to maximal exercise.

Keywords: Heart Rate Variability; Conditioning;
Differential Count of Leukocytes

1. INTRODUCTION
It is of paramount importance for high-performance athletes to consistently train in a manner that preserves their optimal conditioning level. Athletes regularly train at
high intensity and volume for extended periods such that an imbalance between excessive workload and inadequate recovery renders them susceptible to mental and
physical depletion. Therefore, athletes` fitness level is an important factor in designing training programs and for preventing overtraining syndrome [1]. However, previous
attempts to portray the blood lactate level and Profile of Mood State (POMS) as respective indicators of physical and mental fatigue have not been entirely conclusive.
For this study, heart rate variability (HRV) analysis [2] has been selected to quantitatively evaluate autonomic capacity [3,4] for its greater accuracy in estimating
physical fitness than earlier methods [5]. Cardiac rhythm is modulated by the two limbs of the autonomic nervous system (ANS), the sympathetic and parasympathetic,
which exert antagonistic effects. Sympathetic dominance occurs during stressful conditions such as nervousness and excitement, whereas a shift in favor of vagal
modulation calms the heart rate. Accordingly, heart rate and RR interval fluctuation (HRV) permit analogical inference of autonomic influence as well as the effects
of mental state and stress level on sympathetic and vagal outputs (HRV analysis) [6,7].
Abo has previously reported that leukocytes are under autonomic control [8]. More specifically, sympathetic and parasympathetic stimulations have been shown to
activate adrenalin receptors on granulocytes, the most prolific leukocytes, and acetylcholine receptors on lymphocytes, respectively [9]. Leukocytes have two major
biological defense activities. Granulocytes and macrophages incite phagocytic activities against foreign bacteria and materials, whereas lymphocytes respond to viral
and abnormal protein infiltrations by mediating antigenantibody production and attacking cellular damage.
In this study we have focused on the proportion of neutrophil, the representative granulocyte, and lymphocyte subpopulations. In short, we have explored whether
the alterations in autonomic parameters and granulocyte/ lymphocyte ratio serve as novel markers of physical and mental exhaustion in sprinters after maximal high
knee lifts, and also act as potential indicators of athletes’ fitness level.

2. MATERIALS AND METHODS
2.1. Subjects
Five elite sprinters in their twenties (mean age 27 ± 1.4)
with qualifications or titles in the Prefectural Track and Field Championships participated in the study (1 female and 4 male sprinters with personal bests ranking among the top 20 in 2009). Weekly training program for the athletes consisted of daily circuit and weight training for >/= 3 hr/day for more than 5 days a week, punctuated
with a day of rest and participation in competitive and time trials on Sundays. All participants routinely engaged in physical exercise for >/= 3 hr/day for at least 5
times per week. Subjects were fully informed about the objectives, specific test procedures, and mental and physical burden of participating in the study. Test times
were scheduled to avoid conflict with competitions and to prevent carryover effects on athletic performance.
Eligible participants provided full consent before enrolling in the study. Subjects performed a light warm-up before the test exercise to assess their condition. All study
participants were nonsmokers and had no history of hypertension, hyperlipidemia, cardiovascular disease, or diabetes. None of the athletes were taking cardiovascular
medications and psychiatric agents such as sleeping pills and anxiolytic drugs. On the day of the test, subjects must have had a body temperature of >/= 37℃, absence
of significant malaise, >/= 6 hours of sound sleep and abstinence from alcohol intake for at least 24 hr prior to the test. Participants were instructed to complete voiding
and avoid food and drink for more than 3 hr before the scheduled test time. Pre-exercise measurements were taken in the sitting position after a 20-min rest. Subjects
were monitored to pace their respiration at approximately 13 breaths/min.

2.2. Method
Heart Rate Variability (HRV) Analysis: By measuring heart rate and RR interval fluctuations (HRV), autonomic activity and the effects of mental balance and stress
level on this capacity can be analogically inferred. RR interval is the distance between two consecutive R waves which are known as the largest spikes in EKG. Spectral
transformation of this RR interval variability generates high frequency power called “HF” (> 0.15 Hz) and low frequency power termed “LF” (0.04 ~ 0.15 Hz), where
HF power is regarded as the primary estimate of cardiac vagal activity. HF power is also generally presumed to correspond to respiratory sinus arrhythmia and therefore
approximates to the frequency of respiration. In contrast, LF power is surmised as mirroring the activities of the two autonomic nerves. For these reasons, the ratio
of HF and LF is considered as the index of sympathovagal activity. The LF/HF ratio is typically associated with sympathetic activation and HF with vagal excitation. These
frequency domain indices are obtained from power spectral analysis that has been calculated from the fast Fourier transform (FFT) [10].
Primary outcome parameters for this study were frequency domain parameters such as very low frequency (VLF), high frequency (HF), low frequency (LF), LF/HF
ratio, total power (TP). Additionally, blood chemistry (AST, ALT, LDH, CK, blood glucose, BUN); differential WBC count; and blood lactate levels were obtained
before and 10 min after all-out high knee lifts. HF Norm (adjusted HF) and LF Norm (adjusted LF) were used in lieu of HF and LF for statistical analyses.
HF Norm = HF/(Total Power − VLF) × 100
LF Norm = LF/(Total Power − VLF) × 100
The purpose of adjusting the values was to minimize the impact of VLF alterations and to emphasize the separate fluctuations induced by parasympathetic and sympathetic
activities. VLF has recently garnered attention as an important prognostic indicator of ischemic heart disease [11]. Although VLF is considered to reflect the
very slow mechanistic activity of sympathetic control, the underlying physiological mechanisms remain unclear.
Consequently, VLF measurements were omitted from this study and the adjusted values were used for statistical analysis.
Based on the recommendation by The European Society of Cardiology and the North American Society of Pacing and Electrophysiology, resting HRV was measured
with the Heart Rhythm Scanner (HRV analysis system from Biocom, Inc.) equipped with software that performs algorithms of short-term HRV analysis. Measurements
were taken from subjects in sitting in a quiet room before the exercise. Biocom HRM-02 Pulse Wave Sensor, the photoplethysmography (PPG) monitor used
in the study, was clipped to the right earlobe to measure HRV for 5 minutes. The same procedure was repeated after exercise. The PPG monitor was placed above the
converter (light  energy) for the light source and photocells and adjacent to both earlobes to direct the infrared beam towards the photocells. Since blood volume
fluctuations within the vasculature of the earlobe correlate to beat-to-beat changes, the PPG was employed to capture the pulse waves to generate data on HRV. At a
designated area of a temperature (24℃) and humidity (60%) controlled testing room, participants performed two sets of 1-min all-out high knee lifts interspersed with
1-min of passive recovery. Tests were conducted between 12:00 PM – 18:00 PM when HRV was least variable.
In order to induce complete exhaustion, a supervising trainer provided verbal cues throughout the test period to monitor and ensure the pace of the exercise.
Participants rested in standing during the 1-min interval and in supine for 10 minutes during post-exercise recovery.
The same pre-exercise autonomic assessment and blood tests were repeated 10 min after the exercise to measure and quantitatively evaluate autonomic functions.
Participants were instructed to maintain a consistent respiration rate for the autonomic assessment during recovery.
Concomitantly with HRV analysis, routine blood tests for assessing conditioning level have been evaluated in this study, including: 1) blood chemistry aspartate
amino transferase (AST), alanine amino transferase (ALT), lactate dehydrogenase (LDH), creatine kinase (CK), blood urea nitrogen (BUN) to examine kidney
functions and protein metabolism; 2) blood lactate concentration to assess glucose metabolism; and 3) differential WBC count to investigate recent appraisal of the correlation between sympathovagal activity and leukocyte subsets (neutrophils, lymphocytes, monocytes, eosinophils and basophils). Pre and post exercise blood samples were obtained from the same median cubital vein and sent to FALCO biosystems Ltd to be tested. Subjects were immediately asked about their fatigue rating after the exercise. All laboratory tests and physical measurements were taken while subjects sat calmly in the test room.
Blood chemistry, differential WBC count, blood lactate level: The following measurements were taken before and after the stress exercise: 1) blood glucose (BG) to observe energy expenditure during exercise; 2) aspartate amino transferase (AST), alanine amino transferase (ALT), lactate dehydrogenase (LDH), and creatine kinase
(CK) to evaluate injury/inflammation of muscle tissues; 3) blood urea nitrogen (BUN) to assess alterations in kikidney functions and protein metabolism; 4) blood lactate
concentration to determine glucose metabolism; and 5) differential WBC count (neutrophils, lymphocytes) to assess autonomic capacity.

2.3. Statistical Analysis
T-test with the level of significance set at P < 0.05 was used to assess pre and post exercise variations. All statistical analyses were carried out with PASW Statistics 17.0 (SPSS Inc.) software. 3. RESULTS 3.1. HRV Analysis (Figures 1 - 5) The autonomic parameters of all subjects, including total power (TP), very low frequency (VLF), high frequency (HF), low frequency (LF) and LF/HF ratio during rest were all within normal limits. Figures 1-5 show the comparisons of mean TP, VLF, LF Norm, HF Norm and LF/HF ratio among the five sprinters. Comparisons of mean TP, VLF, LF Norm, HF Norm, and LF/HF ratio of the five sprinters before and 10 minute after maximal high knee lifts demonstrated a significant decrease in TP (p < 0.05), LF Norm(p < 0.01) and LF/HF ratio (p < 0.05), while a considerable increase in HF Norm (p < 0.05) was noted. VLF tended towards a decline despite statistical insignificance (p < 0.1). 3.2. Blood Chemistry, Blood Lactate Concentration Blood chemistry and blood lactate level were all within normal limits before and after exercise. All aspects of blood chemistry of pre and post exercise samples did not demonstrate significant changes, except for creatine kinase (CK). Creatine kinase (CK) and blood lactate levels increased significantly 10 minutes after short, maximal exercise (p < 0.01). 3.3. Differential Leukocyte Count (Figures 6 - 7) Figures 6-7 illustrate the comparisons of mean neutrophil and lymphocyte ratios among the five sprinters before and after all-out high knee lifts. The proportions of neutrophils and leukocytes in differential WBC count were all within normal limits. Neutrophils reduced significantly after exercise (p < 0.01), while lymphocytes increased significantly after exercise (p < 0.01). 4. DISCUSSION A battery of blood tests, psychological assessments and autonomic evaluations are routinely administered to athletes to objectively quantify their conditioning level. The importance of autonomic capacity in athletic performance has been elucidated, and reports on autonomic evaluation using HRV analysis in athletes across various disciplines are available [12]. Despite recent accounts underpinning the correlation between autonomic activity and white blood cell count, data on this relationship in the field of sports and training are practically nonexistent. Although leukocytosis is a well-established phenomenon following physical activity, and while reports on differential WBC alterations in response to exercise have been published [13], the relationship between pre and post differential leukocyte and autonomic activity remains equivocal. The present study focused on quantitative evaluation of pre and post exercise autonomic activities as well as differential leukocyte count in athletes. Because the study targeted elite athletes who train regularly at high intensity and volume, all-out high knee lifts were selected as the exercise stress test to induce exhaustion. In the study, a prominent rise in peak lactate after maximal high knee lifts was noted which served as an objective marker of exhaustion in participants. Total power significantly decreased after exercise, but this was seen as a transient suppression of autonomic functions under substantial physical stress. Caution must be exercised when training athletes with reduced total power as this could indicate autonomic dystonia. The association between autonomic impairment and overtraining syndrome, a chronic state of fatigue, has been reported elsewhere. In the present study, significant post-exercise LF reduction was attributed to the inhibition of baroreceptor modulation in spite of sympathetic excitation after maximal exercise. In fact, LF appeared contingent not only on sympathetic tone but baroreceptor reflex as well. In response to a sudden increase in heart rate after short maximal workload, parasympathetic tone is thought to amplify 10 minutes after exercise to counteract the sympathetic surge. On this basis, post-exercise measurements for this study were taken 10 minutes after brief maximal load to assess changes during recovery. Modulation of acutely augmented heart rate after all-out exercise has far-reaching ramifications for athletes. The autonomic nervous system maintains physiological homeostasis during abrupt changes in physical states and is surmised to differ significantly between athletes and nonathletes. In general, it has been suggested that non-athletes have lower parasympathetic tone than athletes. Although this could not be substantiated from this study as data was obtained from high-performance athletes, athletes and non-athletes are nonetheless expected to demonstrate discrepant autonomic modulations after short maximal exercise. One sprinter was excluded from the study due to mental and physical exhaustion after participating in a 3- day collegiate track and field competition as the key player of his team. Resting autonomic tone of this athlete fell below the normal range and albeit pronounced subjective symptoms, the athlete failed to report his status prior to the beginning of the study. Moreover, continuous depression of parasympathetic activity was observed in this athlete. These results suggested that additional stress load on athletes suffering from overtraining syndrome could potentially prolong recovery. Despite reports of markedly higher vagal tone of athletes than nonathletes at rest, recovery after exercise also depends largely on this branch`s activity. In principle, cardiac autonomic assessment using HRV is analogous to the estimation of varying velocity of a moving vehicle from the coordination of the accelerator and brake. In other words, HRV is akin to the changing speed of a vehicle, while the operation of accelerator and brake corresponds to sympathovagal control of the heart. Because athletes must rapidly modulate an acutely elevated heart rate during rest, increasing the vagal tone has important implications. Our results indicated that LF/HF ratio, an index of sympathetic tone, following maximal high knee lifts declined, and that HF, an index of parasympathetic function, elevated 10 minutes after exercise. These results were consistent with a shift in proportion of neutrophils and lymphocytes in the differential leukocyte count, thus implying an association between autonomic functions and white blood cell count. In addition, these findings also undergirded the potential interactions between sympathetic activity and granulocytes, and parasympathetic activity and lymphocytes as cited by Abo [14]. With confirmed significant alterations in HRV parameters and differential leukocyte count in athletes following brief maximal exercise, quantitative evaluation of autonomic activity via HRV analysis and differential WBC emerge as plausible indices of conditioning level and physical capacity of athletes. The variance in neutrophil and lymphocyte ratios appears especially robust as an index, comparable to the assessment of autonomic functions. Participants of this study involved first-class athletes who were anticipated to demonstrate superior autonomic modulation following exercise. In the case of non-athletes, however, post-exercise recovery was expected to be more sluggish. Since our test date coincided with the track and field season, recruitment of robust number of top Japanese athletes for the study was difficult. Several participants withdrew from the study due to fatigue from regular training. The sample population fell below the target size as great care was taken to prevent the physical burden of participating in the study from ethically interfering with competitions and training programs. Moreover, the nature and intensity of the exercise stress test were such that only the very best athletes in the country could perform them adequately, and the selection of such athletes with comparable athletic capacity resulted in a maximum sample size of five for this study. Despite the small sample, this is the first study to evaluate autonomic resilience in sprinters after maximal exercise, and therefore we believe that our results can serve as a basis for continued exploration of autonomic modulations in athletes. While different results may have been observed had athletes from various disciplines participated in the study, sprinters were specifically selected because of their training emphasis on basic exercises and resulting ability to demonstrate rapid changes in HRV. According to our results, a greater sample size will minimize the individual differences in pre and post exercise parameters that were observed in this study. Additionally, future studies that provide a comparison with a control group and analyses of graded exercise intensity and post-exercise intervention will complement our study to deepen the understanding of the correlation between the autonomic nervous system and differential leukocyte count in athletes. REFERENCES [1] Hedelin, R., Wiklund, U., Bjerle, P., et al. (2000) Cardiac autonomic imbalance in an overtrained athlete. Medicine and Science in Sports and Exercise, 32(9), 1531-1533. [2] Hayano, J., Sakakibara, Y., Yamada, A. and Mukai, S. (1991) Accuracy of assessment of cardiac vagal tone by heart rate variability in normal subjects. American Journal of Cardiology, 67(2), 199-204. [3] Tanabe, S., Terao, T. and Nakano, S. (1993) Sympathovagal balance in young athletes. Tokai Journal of Sports Science and Medicine, 5, 44-49. [4] Tanabe, S., Terao, T. and Nakano, S. (1995) Comparison of sympathovagal balance between the middle aged and young athletes. Tokai Journal of Sports Science and Medicine, 7, 75-82. [5] Perini, R. and Veicsteinas, A. (2003) Heart rate variability and autonomic activity at rest and during exercise in various physiological conditions. European Journal of Applied Physiology, 90(3-4), 317-325. [6] Sawada, Y. (1999) Heart rate variability, Is it available in psychophysiological research. Japanese Journal of Cancer Research, 26, 8-13. [7] Yokoi, M. and Yamazaki, K. (1995) Cardiac autonomic nervous activity interaction under mental stress. A study using the corrected heart rate variability indexes. Tokai Journal of Sports Science and Medicine, 7, 75-82. [8] Abo, T. (2002) Autonomic nervous regulation of leukocytes. Japanese Journal of Physical Fitness and Sports Medicine, 51, 10-11. [9] Abo, T. (1999) Regulation of leukocytes by the autonomic nervous system, new rule on the cooperation of neuro-endocrine-immune systems (on the functions of the autonomic nervous system). Japanese Journal of Psychosimatic Medicine, 39, 67-74. [10] Goto, K., Matuura, H. and Muramoto, K. (2002) Estimate of autonomic nervous system function by heart rate variability analysis [in Japanese] IEICE technical report. ME and Bio Cybernetics, 102(507), 13-16. [11] Hadase, M., Azuma, A. and Zen, K. (2004) Very low frequency power of heart rate variability is a powerful predictor of clinical prognosis in patients with congestive heart failure. Japanese Circulation Society, 68(4), 343- 347. [12] Tanabe, S., Yoshioka, K. and Yamashita, Y. (1994) Sympathetic and parasympathetic activities at rest and after exercise in judo athletes. Tokai Journal of Sports Science and Medicine, 6, 35-42. [13] Suzuki, K., Saoto, H. and Endo, T. (1995) Variation of neutrophil active oxygen and differential count of leukocyte’s during maximal exercise load in athletes. Japanese Journal of Physical Fitness and Sports Medicine, 44(6), 747 [14] Abo, T. (2002) Number and function of leukocytes are regulated by the autonomic nervous system. Journal of International Society of Life Information Science, 20(1), 171-189. 上記論文は HEALTH Vol 2 No.10 に掲載されました。 http://www.scirp.org/journal/health/ Evaluation of autonomic nervous system by heart rate variability and differential count of leukocytes in athletes Nobuhiro Suetake, Yukiko Morita, Daichi Suzuki, Keiko Lee, Hiroyuki Kobayashi Abstract | References Full Paper: PDF , PP.1191-1198 DOI: 10.4236/health.2010.210175

PRP療法によるアスリートケア

アキレス腱炎 ・ゴルフ肘  ・テニス肘
肉離れ ・膝靭帯損傷 ・慢 性の筋肉の痛み

 …など

国内で初めてPRP療法によるアスリートへの治療は さかえクリニック(名古屋)で行われました。
国内初の臨床治療被験者は北京オリンピック前からアキレス腱周囲炎による強い痛みで競技に支障を来している アテネ・北京五輪陸上 110MH日本代表 内藤真人選手(ミズノ)。http://naitomasato.com/2010/05/

順調に復活を遂げました。
これまで三度の治療によりアキレス腱の痛みがほとんど改善し負荷のかかるトレーニングが十分に行えるようになりました。
2011年 世界陸上選手権、2012年のロンドン五輪を目指します。
欧米では広く行われつつある 再生医療治療法になります。
http://www.bloodcure.com/

オリンピック金メダリストも PRP療法で奇跡の復活を果たしました。
最近では、タイガーウッズ選 手がPRP療法で故障から回復したことをオフィシャルに
公表して 注目を集めました。

http://get- inthehole.com/player/tigerwoods/ tigerwoods_pressconf2_20100407.
html

国内では、アンチエイ ジング治療として美容分野へ導入され広く普及しております
が、 施術者の能力や使用するキットの質により効果も大きく異なる場 合がありま
す。
良質な血小板の採取と注入テクニックも結果に大きく影響を及ぼすと考えています。

当社では、提携医療機関の支援もあり 間違いなく 国内でも今後普及すると考えら
れる PRP療法のアスリートへの 施術を臨床実験・研究をスタートしました。
慎重にその経過と効果、手技 、注入量、注入部位、プロトコールを検討し、順天堂
大学医学部、さかえクリニック スポーツ診療部 の協力下、臨床研究を進めていき
ます。
国内では未だ、確立された治療法ではないため 被験者は限定されますが、痛みや故
障で苦しむアスリートに微力ながらお役にたてれば幸いです。

現在、実験ボランティア募集中です。

以下の条件に該当されるアスリートを募集しています。(倫理 的な条項、研究にあたっての詳細を説明させていただきます。)

費用はすべて無料となります。( 当社へお越しになられる際の交通費はご負担下さい。)

オリンピック日本代表(競技 種目は問いません)
世界選手権およびワールドカ ップでメダルを獲得された選手
プロ野球選手で1軍の経験者
プロアスリートで日本ランキ ング1位(格闘技は除く)
ただし、順天堂大学医学部付属病院で 画像診断、診察を受けていただくこと、定期的な検査、治療部位 の状態の定期的報告を義務とさせていただきます。
何卒、よろしくお願いいたします。

緊急レポート

アンチエイジングシステム エアナジーが放射線障害に有効か

放射性障害にも有効の報告(ウクライナのチェルノブイリ地区での放射能汚染による健康被害の治療にエアナジーが使用されています。)
エアナジーによる一重項酸素療法は、福島原発事故での放射能汚染のケアに役立つ可能性がドイツのメーカーよりアナウンスされました。

Report on clinical investigations of Singlet Oxygen Therapy. SOE respiratory unit use in sanitarium practice at Chernobyl zone in Ukraine.

Abbreviations in this study are:
SOT = Singlet Oxygen Therapy
SOE = Singlet Oxygen Energy
Introduction.
SOT is widely practiced among the new perspective methods on non-medicamental treatment and prophylactics of diseases.
The principle of the SOE (Singlet Oxygen Energy)-effect is based on optimization of singlet oxygen formation using special AIRNERGY catalysts in an activation chamber of a respiratory unit and its delivery into a human body.
Normalization of the patients’ health condition after the Airnergy SOE-therapy was caused by improvement of blood circulation, stimulation of metabolism in tissues, immunity strengthening, detoxification, normalization of antioxidant state. To put SOE into practice, modern Valkion Unit, including the AIRNERGY catalysts, was set in dispensary “Teteriv”, Korostyshisky district of Zhytomyr region where the above mentioned investigations have been fulfilled since the 1st of July 1997 till the 23rd of February 1999.
Research Object and Task.
The aim of the present investigation was to determinate the SOE-therapy influence on health condition of patients in sanitarium, and possibilities and perspectives of SOT use for the treatment and rehabilitations of patients with different types of pathologies.
To fulfill the purpose the following tasks were set:
• study the effectiveness of SOE use in clinical practice based on treatment results of the patients with different types of diseases.
• organize the comparative characteristics of SOE effectiveness among the patients who received SOE-therapy in complex with other types of treatment and those who didn’t receive SOE at all.
• make the conclusion on SOE effectiveness and use perspectives in sanitarium practice on the basis of clinical and laboratory data.
The treatment by means of SOT consisted of energized water use and activated air inhalation. Patients received SOE 1 time a day on an average. During the first day of treatment patient consumed 50-100 ml of activated water and 3-9 minutes of inhalation by activated air. The second and all the following days, patients took 150-200 ml of activated water and 6 – 14 min. of inhalation. Each patient received 11 SOE treatments on average.
Results of the Investigation.
When using SOE, i.e. Singlet Oxygen Energy, in complex with other types of treatment (please refer to the table in Attachment 1), all the children (455 persons) finished their course of treatment with improvement of their condition. In the control group only 451 out of 512 children (88,10 %) finished their treatment with improvement. 58 patients (11,32 % left without changes, 3 patients aggravated their stage.
When treating the patients with blood circulation system diseases, it was noted, that general effectiveness of SOE use in the first group amounted to 100 %.
The effectiveness of SOT by the patients with blood circulation system pathologies was caused by improvement of electrocardiogram indices, increase in patients’ tolerance to the physical load, disappearance of heartache and tachycardia, increase of hemoglobin level in blood. SOE-effectiveness in the control group amounted to 91,06 %. Out of 302 children 275 persons felt better, 25 patients didn’t change their health condition, 2 children finished their course of treatment with aggravation.
The SOE therapy applied to 112 children suffering from respiratory tract diseases showed considerable effectiveness.
There were several changes for better which are observed by all the patients disappearance of catarrhal phenomenon, facilitation of expectoration, stabilization of external breathing function, reduction of short breath and quantity of choke attacks by the patients who suffered from bronchial asthma. The treatment effectiveness of the patients from the control group was 84,13 % out of 126 children 106 improved their health, 19 children (15,1 %) finished the course of treatment without changes. 1 child aggravated the health condition.
The effectiveness of the SOE-therapy applied to 31 children with gastrointestinal tract diseases was characterized by the remarkable improvement of health condition of all the patients. After SOE treatment patients’ health condition improved, pains in stomach disappeared, general state and appetite improved, meteorism disappeared, heartburn reduced, stool normalized. The SOE effectiveness in the control group amounted to 70,97 %, 9 patients (29,09 %) left without changes.
All the patients from the first group who had metabolism pathologies finished their course of treatment with improvement of their health condition. There were following changes in health condition of the patients: disappearance of thirst and dryness in month, tiredness, reduction of sugar in blood of the patients who suffered from sugar diabetes, and loss of weight in case of obesity. By comparison, in the control group 85,71 % of patients improved their health.

Materials and methods of investigation.
967 children (aged 6 – 15) from the region polluted by radiation were treated by means of SOE in dispensary Teteriv.
The experimental persons were divided into 2 groups. In the first group there were 455 children, who underwent complex treatment (SOT in complex with traditional treatment at the same time). Among them: 57,4 % suffered from diseases of blood circulation system, 24,6 % from respiratory tract pathologies.
There was following percentage according to the level of affection:
Light – 54,2 %, middle-hard – 42,3 %, hard – 3,5 %.
The second (control) group consisted of 512 children, who were treated only by means of the SOE-therapy. The overwhelming majority of patient suffered from blood circulation system diseases (59,0 %) and respiratory tract diseases (24,6 %. 55,8 % of children had light level of affection, 39,6 % – middle-hard level, 4,7 % – hard.
In most cases the patients with cardio-vascular system pathologies suffered from the following diseases:
• functional cardiopathy,
• vegetovascular distony.
Among gastrotestinal tract diseases prevailed:
• chronic gastritis,
• gastro-duodenitis,
• cholecystitis,
• diskinesia of bile duct.
Among respiratory tract diseases predominated:
• chronic and obstructive bronchitis,
• bronchial asthma
Among metabolism pathologies prevailed:
• endocrine system diseases including sugar diabetes (of light and middle-hard form).
Among motor system diseases prevailed:
• after-traumatic bones and joints injury.

Among skin diseases prevailed:
• eczema,
• neurodermatitis
For the investigation of SOE therapeutic effectiveness different data was studied: data of electrocardiogram, indices of coagulogram, hemoglobin level, sugar in blood (prothrombin index, fibrinogen), the patients’ tolerance to physical load was also taken into consideration.
The possible side effect was evaluated by means of the following symptoms:
• appearance of pain of different localization, which didn’t bother patient before,
• intensification of disease symptoms which patient had before SOE,
• appearance or intensification of neurological stage
• worsening of clinic-functional and laboratory indices (if they were not caused by medicament therapy).
There was 100 % effectiveness after SOE energy therapy by the patients with nervous system diseases, in the control group 85,71 % of patients became better.
The SOE effectiveness by the patients who suffered from skin and motor system diseases was high but didn’t differ much from the results in the control group.
All the 16 persons who suffered from kidney and urinary tract diseases and to whom Singlet Oxygen Therapy in complex with other methods of treatment was applied changed their health condition for better, in the control group 91,67 % of patients improved their health.
Analysis on the results of SOE use applied to the children living in the territory polluted after accident at Chernobyl Atomic Power Station and treating in the dispensary “Teteriv” showed considerable treatment effectiveness. Practically 100 % of patients felt disappearance of headache and also pain in joints and in chest region, improvement of general condition, increase in weight, disappearance of nasal bleeding and catarrhal phenomenon in gullet, normalization of blood composition and decrease in caesium-137 level.
1. Research work on Singlet Oxygen Energy Therapy use in sanitarium practice of dispensary “Teteriv” shows a remarkable effectiveness for the patients who underwent SOT in complex with other methods of treatment.
2. Effectiveness of the SOE-method in the first group (SOE-therapy in complex with traditional treatment) was 11,9 % higher by comparison with the control group.
3. Analysis on the results of the clinic research shows expediency and profit SOE use in sanitarium practice of Ukraine treating the children with different types of pathologies from the ecologically unfavorable regions and areas polluted by radiation.

Closing Statement Concerning Copyright
This article was published in 1999 by POLYVALK AB, Att. Antony van der Valk, Göteborg, Sweden. Respecting the Copyright of the study, it should be noticed that the study investigations were performed with Valkion units that were equipped with AIRNERGY+ catalysts! As the catalysts are the key of the method, AIRNERGY AG headquartered at Hennef, Germany, puts forward a certain claim on these published data as well!

Attachment 1: Table
Attachment 2: Statement of AIRNERGY Medical Management

Attachment 1: Effectiveness of Singlet Oxygen Energy Therapy Use according to the Type
of the main Pathology in Sanatoria of Teteriv

Kind of the main pathology Patients who undergone SOET and other kinds of treatment (I group) Treatment effective-ness, % Patients who didn´t received SOET Treatment effective-ness, %
Total With improve-ment Without changes With aggravation Total With improvement Without changes With aggravation

Blood circulation organs 261 261 100 302 275 25 2 91,06
Gastrointestinal tract 31 31 100 31 22 9 70,97
Metabolism 7 7 100 7 6 1 85,71
Nervous system 7 7 100 12 10 2 83,33
Motor functions 9 9 100 12 11 1 91,67
Respiratory tract 112 112 100 126 106 19 1 84,13
Women´s disease 100
Skin 12 12 100 10 10 100
Kidney and urinary tract 16 16 100 12 11 1 91,67

TOTAL 455 455 100 512 451 58 3 88,69

Attachment 2: Statement of AIRNERGY Medical Management
With the broad and terrible experiences after the atomic fallout in Chernobyl, human mankind should have learned that an immediate and an overall prevention of immediate or subsequent events caused by the atomic pollution are out of the question. The (governmental) installation of an overall prevention concept is of major importance, especially regarding the population´s fears and helplessness con-cerning their current and future health status. This is true for the generation who witnessed the catastrophe, but also for those generations to come.
Based on the experiences of Chernobyl we have to come to the conclusion, that it is inalienable to start an overall preventive therapy immediately. This early treatment approach can help to avoid further cell damage in the living population, and might be also effective in reducing a possible harm for the following generations.
Therefore, and based on the results of the above publication it is absolutely out of the question to start a prevention/ supportive therapy in the population that are directly threatened by the atomic catastrophe, not only in the central region of Fukushima, but also in all possibly polluted areas in Japan, immediately!
The inhalative Singlet Oxygen Energy Therapy (SOET) should be combined with drinking of the activated water. Combining the two different routes of administration shows a synergistic effect (by a complete coverage of the entire body including the respiratory tract and the gastrointestinal passage) and supports to attain a maximum effect in the body. This combination should have the greatest and a long-term effect on the patients prevention of further cellular damage and an immediate reduction of cancerogenous products (for example, as reported in the above article, a decrease in caesium-137 levels*).
From the AIRNERGY+ point of view the respiratory unit Basis Plus should be sufficient as the catalysts show a much greater energy expansion, than they did years ago, a result of AIRNERY´s + former market leader position and the continuous improvement of the SOE catalyst development processes.
People affected, or people concerned to be or to become affected should breathe the SOEnergy once or two times daily for approximately 40 minutes and drink the energized water after the end of the breathing session. Please recognize, that the water used for the inhalator needs to have drinking water quality.
There is a second version of the AIRNERGY+ inhalation system available – called Professional Plus. As this version contains more catalysts, the breathing time can be reduced to 21 – 30 minutes.
Both product versions have the same mode of action. The major difference is, that recognizable effects can be perceived earlier and the maximum of biological effectiveness is higher using the Professional Plus than with the Basis Plus product.
Although the above mentioned study was only performed in children, AIRNERGY+ does not expect any different results in grown-ups, taking a more than 10-year experience with both populations into account.
It should be an immediate task to get in contact with hospitals, doctors and other medical or paramedical institutions. In addition a press release might be helpful to give the population, which feels helpless now, an alternative and a strong support in their fight against this unknown enemy – radioactive pollution.
In my personal opinion, the government and in special the Japanese Ministry of Health should be informed about AIRNERGY+ as a preventive, therapeutic and curative option that can help to stabilize and recover their population. It is easily to use and without any side effects. The installation of free governmental breathing stations might be a fundamental idea. Managed and controlled by a medically trained person, people can go there to take their breathing/drinking therapy and are under medical care as well. This approach might strengthen the feeling that the government takes care of each single individual!
To help the Japanese Population in this outstanding catastrophe AIRNERGY+ will support any activities to make AIRNERGY+ available for the Japanese population as easily and as soon as possible!

日常生活におけるサプリメントの光と影

要旨

サプリメントの定義は明確ではないが、近年、健康志向もあって関心が高まっている。日本では健康食品という言葉がかなり昔から使用されている。いわゆる健康食品は特定保健用食品として効能を記載できるサプリメントと、一般食品として売られ、食品衛生法の適用しか受けないものが混在している。

市場には様々なサプリメントが出回っているが、サプリメントの安全性やサプリメント摂取の必要性が求められる。

市場には多くのサプリメントが氾濫し消費者が手に入れるサプリメントに関する情報には必ずしも正確な情報とは限らない。
市場では誇大広告も問題となり2010年、消費者庁は誇大広告の規制強化に本格的に乗り出すことを発表した。

サプリメントが健康増進、アンチエイジング目的で摂取される場合、個人の特質、必要量、摂取方法などを十分に配慮すべきである。

疾病を主にスクリーニングする血液検査以外に生体の機能の状態を把握する末梢血液分析、酸化ストレス度検査、自律神経機能検査などがあり必要サプリメントの指標検査として注目されている。

近年、アンチエイジングという名称が健康増進と同義に使用されてきているが、サプリメントもアンチエイジング効果を謳った製品が市場に急増してきている。

アンチエイジングに関する具体的なサプリメントとその効能や将来性を検討した。また、これまでの抗酸化サプリメント事情を覆すような学術論文も散見され改めてエビデンスの重要性が問われている。

キーワード:特定保健用食品、抗酸化サプリメント、抹消血液機能分析、自律神経機能検査、アンチエイジング

はじめに

近年、健康志向やメディアの影響もあってサプリメントに対する関心も高くなっている。しかし、サプリメント摂取の必要性、安全性、摂取量、摂取方法などしっかり理解されて摂取されている消費者は少ない。科学的根拠がない誇大広告も目立ち、インターネットで容易にサプリメントの情報を得て購入することができるが情報の信頼性が乏しいものが少なくない。国内では医薬品(医薬部外品を含む)でないものは食品に分類される。サプリメント市場の現況、種類、安全性、摂取のための検査に注目した。

国内におけるサプリメントの現状

アスリートが疲労回復や競技パフォーマンス向上を目的としてサプリメントを摂取するケースが以前より注目されていたが、今では一般の消費者が疾病予防を目的としてサプリメント摂取するケースが急増している。食品に対して単なる栄養素の補給機能、味覚を満足させる機能のほかに体調調整に関する機能(三次機能)を求めるニーズが増加しその食品機能も多様化している。
市場には様々なサプリメントがあふれインターネットをはじめとするメディアでサプリメントと健康に関する情報が多く配信されている。しかし、質の悪いサプリメント摂取によって健康被害の報告も急増している。

中国から日本に個人輸入したサプリメントや薬事法未承認医薬品等を服用後に、健康被害(死亡、肝障害、バセドウ病様の甲状腺機能異常など)が発生した事例が、日本国内で多数報告されている。この場合、製品の質に問題があるというより違法な甲状腺末など薬剤がサプリメントに混入されていた。特にダイエット関連のサプリメントで被害が多くみられる。 

市場に存在する一般食品としてのサプリメントは機能などの表示が認められていない。保健機能食品は2001年、厚生労働省によって創設された新しい食品制度において 作られた食品の名称である。特定保健用食品(トクホ)と栄養機能食品を合わせたものである。(表1)一般的に国内では一般食品もこれらに加えて総じてサプリメントと称している。

サプリメントには栄養機能食品としてビタミン12種類(ビタミンB1、B2、B6、B12、ビタミンC、パントテン酸,葉酸、ナイアシン、ビオチン、ビタミンA、E、D)ミネラル5種類(鉄、カルシウム、銅、亜鉛、マグネシウム)、単体で摂取することもあるが総合ビタミンや総合ミネラルとして複数摂取することも多い。ヒトを対象にした研究の学術論文の情報を基にサプリメントの安全性や有効性が提示される場合があるが、市場にあふれているサプリメントの多くはこういった科学的根拠に基づく情報が具体的に得られていない状態で出回っている。1)

2010年12月6日 中日新聞 では、健康食品 誇大広告の規制強化、消費者庁の方針で悪質な事例は健康増進法に基づいて勧告し、業者名を公表する旨の記事が掲載された。消費者庁は2010年3月に550業者、11月も300業者に表示内容の修正を求める指導をしてきた。指導より厳しい勧告で業者名を公表するには、違反を証明する検査作業が必要となる。勧告は所管官庁が厚生労働省だった時も含め 1件も出されていない。しかし、誇大広告が後を絶たないため消費者庁は勧告できる体制の強化を決めた。また、新たに作成する指針は、「実験結果や体験談でも合理性を欠けば違反」といった注意すべき表現を列挙し被害防止につなげる。

この他、根拠なく商品を優良と思わせる表現を禁じた景品表示法を適用する規制強化も検討。同法は効果の有無の確認が難しい場合でも、表示内容に問題があれば改善を命じる措置命令を出せるためである。
同庁食品表示課は、「健康被害を防ぐために厳然とした対応をとる」としている。

健康増進法違反の恐れのある広告表現

医薬品と同等の効果があると誤解させる
「癌に効くといわれています」
立証不可、未検証の誇大表現
「誰でも15キロのダイエットに成功」
効果と無関係な特許や架空の許可をかたる
「国際特許成分が脂肪を除去」
効果と直結しない表現
「あの有名芸能人も愛用」
学術論文などで証明されていない薄弱な根拠
「○×教授の書籍に引用された」

サプリメント摂取のための必要事項

1:科学的根拠に基づいた有効性
2:安全性
3:成分
4:摂取量
5:摂取方法
6: 摂取期間
7:摂取目的
などが理解されたうえで摂取されることが望ましい。

特定保健用食品は、一般に認識されている機能性食品の中でその保健の用途並びにヒトにおける有効性、適切な摂取量の設定・摂取に伴う安全性が、個々の食品で医学・栄養学的に明らかにされた食品に該当し、個別審査のうえ表示が認可される構造・機能表示である。

サプリメント摂取のための検査

サプリメント摂取において個人に適した種類、摂取量、摂取頻度、期間などの特定は困難である。摂取目的を明確にして、一定の指標を得ようとする試みはここ数年盛んになっている。

必要サプリメント特定のための検査として
1:血液検査
2:尿検査
3:抗酸化テスト
4:毛髪ミネラル検査
5:末梢血液分析
6:自律神経機能検査
などがある。

この中で1、2、3、4は全国的に多くの医療機関で行われているが、5、6の検査はほとんど行われていない。しかし、必要なサプリメントを決定するうえで今後注目を集める検査と考える。特に自律神経に対するアプローチは今後サプリメント摂取の検査として重要な位置づけになると考えている。

末梢血液分析
末梢血液である、 1 Live Blood、2 Coagulation Blood を高倍率の顕微鏡で観察し分析、評価するシステム ブラッドフォード末梢血液評価法(BPBATM)などを使用して細胞の栄養状態評価、酸化ストレスの評価を行うものである。2)生体の酸化状態、生体の機能をリアルタイムに把握できるという利点がある。ブラッドフォード末梢血液評価法は、身体に活性酸素(ROS)の影響がどれほどあるのかを評価できる評価法である。3)末梢血液の評価は、High Resolution Blood Morphology Assessment TestsとCoagulation Morphology Assessment Tests がある。ブラッドフォード末梢血液評価法は、米国のBradford Research Institute の研究結果をまとめたもので、この研究は今なお続けられている。4)

評価マニュアルの冒頭には『この血液分析システムは、病気や病名の診断が目的ではなく(東洋医学で言うところの)未病の傾向とその栄養学的改善法について知ることが目的である。』『血液分析は、まだ研究段階のシステムであり、マニュアルの内容についても変更や補充が起こってくる可能性がある。』との記載がある。我々は、それを念頭において、生化学検査、摂取対象者への問診などと併用して使用している。米国では、International Academy for Advanced Microscopy (I.A.A.M) がトレーニングセミナーを毎年開催して、臨床で使用されている。

血液分析システムは、生きた血液形態評価、凝固血液形態評価共に分析シートに従い体系的に行う。
また、血液凝固パターンと異常所見の部位の相関図により、ビタミン欠乏、ミネラルバランス、生体内過剰活性酸素、ウイルス感染、消化・吸収機能状態、炎症状態といった具体的な身体情報が把握可能である。(図1)

末梢血液分析システムは、身体のどの部位にどれくらい活性酸素の影響があるのかを評価することができる費用対効果に優れた評価法である。活性酸素の生体内での発生状況は可溶性フィブリンを産生することにより凝固血液パターンで評価が可能である。

我々は、ブラッドフォード末梢血液評価法をブラッドフォード可変投影顕微鏡を使用して行っている。このシステムは ”生きた血液(Live Blood)“ 、”凝固血液(Coagulation Blood)“ を最大30,000倍の倍率で分析し評価するシステムであ。画像はビデオに取り込み、プリントアウトが可能である。この装置で映し出された画像所見を血液分析マニュアルに従い評価を行っている。
特に活性酸素の生体内での発生状況は可溶性フィブリンとの相関関係が証明されている。

1) 生きた血液分析(Live Blood Assessment)
被験者の右小指から血液を1滴、スライドガラス上に採取する。モニター上で30,000倍に拡大して 暗視野(Dark Field)、位相差(Phase Contrast)で赤血球、白血球、血小板、プラーク、コレステロール結晶、細菌、真菌、寄生虫などの像を解析する。(図2)(図3)生きた血液を分析することで細胞の栄養状態、免疫機能、代謝の状態、活性酸素の過剰発生状況などを把握することが可能である。(表2)

2) 血液凝固分析(Coagulation Blood Assessment)
被験者の右小指から血液をスライドガラス上に6-7回に分けて採取して凝固後、明視野(Bright Field)で観察し各 Coagulation circleをチェックし評価する。(表3)体内の活性酸素発生状況をはじめ、様々な病気の原因となる因子が血液凝固因子に影響を与えているのがわかる。凝固パターンを分析することにより体内の活性酸素の過多が把握可能であり、活性酸素の発生状況は可溶性フィブリンと関係がある。(図4)定量評価は今後の課題であるが、血液分析の画像は写真、ビデオで取り込み保存が可能なため患者の活性酸素発生状態の経過を追うことが可能である。国内では普及している方法ではないが米国では代替医療専門医療機関が導入しているサプリメント摂取の指標の一つである。特に、Coagulation Blood Assessmentでは器官特異性がある酸化状態のパターンが判定される。(図5)また、最近では重金属の身体への影響や蓄積が各種検査で明らかにされているが、Coagulation Blood Assessmentでも Blood Coagulation circleの外縁の色調変化により重金属蓄積が考えられ、キレーションサプリメント投与の指標にも使用されている。(図6)

自律神経機能検査

心拍数やRR間隔変動(心拍変動)を測定することにより自律神経の影響、さらにそれを変化させる原因となっている精神的な安定度やストレスの程度などを類推することができる。RR間隔とは、心電図の波形で一番大きくスパイク状に出るR波と次のR波までの間隔のことである。このRR間隔変動をスペクトル変換したときの高周波成分(>0.15Hz)を「HF」、低周波成分(0.04~0.15Hz)を「LF」と呼び、HF成分は、心臓を支配している自律神経の副交感神経の活動のみを反映するとされている。また、HF成分は通常、呼吸性洞性不整脈に対応する。したがって、その周波数は呼吸の周波数に等しい。一方、LF成分は、交感神経と副交感神経の両方の活動を反映するとされている。そのため、HF成分とLF成分の比率が、交感神経および副交感神経の活動指標となるとされている。一般に、LF/HF比を交感神経の活動性の指標とし、HFを副交感神経の活動性の指標とする。

ヨーロッパ心臓病学会と北米ペーシング電気生理学会(The European Society of Cardiology and The North American Society of Pacing and Electrophysiology)によって提唱された短時間心拍変動解析のアルゴリズムを採用しているソフトウエアを組み込んだ 心拍変動解析システム Heart Rhythm Scanner(Biocom社)を使用して右耳垂部にPhotoplethysmography(PPG)モニターを装着し5分間の心拍変動を測定し解析を行う。PPGモニターは、光源とフォトセル(光をエネルギーに変換する)からなる変換機上の両方に耳垂部が接するように置くことによって機能し赤外線の光線はフォトセルに向かって発射される。耳垂部の中の血管の血液流量変化は心拍間隔に関連しているためPPGモニターにより脈波が測定可能となり心拍変動のデータを得ることができる。

データ摂取後、解析された自律神経機能の各パラメータ、バランス、コメントなどの評価表が表示されるシステムである。(図7)
自律神経機能を定量評価でき非観血的検査で導入しやすい。最近ではストレス解消のため自律神経機能に影響を及ぼすサプリメント摂取に注目が集まる中、これまで全く自律神経機能評価がされていない。自律神経機能に影響を及ぼすと言われているサプリメントでその影響や効果が自律神経機能定量評価において学術的に検討された事例はこれまでほとんど報告がない。
心拍変動解析システムにより自律神経機能へのサプリメントの影響も評価できると考える。

疾病の治療を目的として医薬品が使用されるが、サプリメント摂取は健康増進、疾病予防を主たる目的としている。このため、自律神経機能評価はストレス状況を明確に表しサプリメント摂取において有益な情報と考える。5)必ずしも疾病がなくても自律神経機能が低下したりバランスが乱れていることがある。現在では、自律神経と免疫の関与も指摘されており自律神経への関心が高まっている。現在、我々の教室では自律神経に対する運動負荷、音楽、鍼刺激など各種介入試験を実施しているが各種サプリメント摂取による自律神経への影響も今後の研究で期待される。自律神経へのサプリメントの効果が定量評価できれば、アスリートのコンディショニングやストレスマネージメント、日常生活での容易なメディカルチェックなど多くの用途が考えられる。6)、7)自律神経と関係がある疾病や体調不良は多いため最も注目を集めるサプリメントがこのシステムで評価される可能性がある。

近年、注目を集めるサプリメント

・ファイトケミカル(ポリフェノール、カロテノイド・・・)
・プロバイオティクス、プレバイオティクス(乳酸菌、ビフィズス菌・・・)
・マリンビタミン(アスタキサチン、ドコサヘキサエン酸・・・)
がある。

ファイトケミカル (表4)
・植物由来の化合物全体
・ポリフェノール、カロテノイド、テルペノイド、バニロイド・・・
・ファイトケミカルの機能発現に関する分子機構の解明が進展している

プロバイティクス、プレバイオティクス
プロバイオティクス(乳酸菌、ビフィズス菌)
腸内フローラを改善することにより宿主細胞に有益な効果をもたらす、生きた細菌を食品に添加したもの

単鎖脂肪酸(酪酸、プロピオン酸、酢酸など)を産生して腸管内を産生することにより、病原微生物の増殖を抑制し、腸管内の環境を改善する
*トクホの素材として用いられているものは乳酸菌(Lactobacillus)、ビフィズス菌(Bifidobacterium)に属するもの

プレバイオティクス(オリゴ糖、食物繊維)
腸内に棲息している菌のうち、有用菌のみの増殖を促進したりその代謝を高めることにより宿主の健康に有利に作用する難消化性の食品成分。代表例はオリゴ糖、食物繊維であり、オリゴ糖は、腸管内の消化酵素で分解されない少糖類でありもともとはビフィズス菌の増殖を促進する因子である。食物繊維あるペクチン、グルコマンナンも消化酵素では分解されず腸内細菌によって分解される。8)

プロバイオティクス、プレバイオティクスの作用
・腸管内が酸性環境になると腐敗菌や有害菌の増殖が阻害
・腸の蠕動運動を活発にし便通を改善するといった整腸作用
・抗炎症作用
・抗アレルギー作用

マリンビタミン
・アスタキサンチン
・エイコサペンタエン酸(EPA)
・ドコサヘキサエン酸(DHA)

アスタキサチン
・海産物の筋肉や体表に多く含まれる
・一重項酸素の酸化反応、過酸化脂質の生成を抑制
・LDL酸化防止
・糖尿病合併症の抑制
・眼疾患の抑制と眼精疲労改善
・抗疲労作用
・抗肥満作用

エイコサペンタエン酸(EPA)
・赤血球変形能が増加することで血栓症、高血圧の抑制
・血清脂質の改善
・各種血栓性疾患での亢進した血小板凝集の是正

ドコサヘキサエン酸(DHA)
・老人性認知症の改善効果
・COX阻害によるアレルギー、炎症の抑制
・血漿コレステロールの低下作用
・大腸がん抑制作用

アンチエイジングとサプリメント

老化を改善させるよりも老化危険因子改善効果がサプリメントから期待できる。老化としては、1:血管、2:筋肉、3:神経、4:ホルモン分泌、5:骨のそれぞれの年齢が考慮される。血管年齢は、動脈硬化の危険因子を補正するサプリメント摂取により改善する可能性が指摘されている。9)カルシウム、マグネシウム、カリウム、GABA摂取が推奨されている。特に衰えを感じるのは筋肉年齢であり、逆に筋肉年齢は比較的容易に回復させることが可能である。特にタンパク質やアミノ酸は筋肉の主要構成要素であるため適正な摂取により筋肉年齢を回復するには効果的である。神経年齢は神経機能に好影響をもたらすレシチン、フォスファジルセリン摂取が推奨されている。認知機能低下を遅延させるEPA、DHA、メラトニンも注目が集まる。ホルモン分泌には、大きな影響を及ぼすサプリメントはないが、イソフラボンのエストロゲン様作用、睡眠の質の向上を目的としたメラトニン摂取が注目を集めている。骨年齢の回復には骨の成分としてミネラルが重要である。マグネシウム、カルシウム、鉄、マンガン、亜鉛、セレンなどの微量元素も必要である。

抗酸化サプリメント

最近のサプリメントの動向の一つに抗酸化サプリメント市場の活況がある。アンチエイジングという名称が一般的になったと同時にエイジングの活性酸素仮説が注目を集め抗酸化サプリメントが市場に氾濫している。抗酸化仮説を支持するエビデンスも存在するが、 Proceedings of Academy of National Science 2009年5月号に 抗酸化物は運動の健康増進促進作用を失わせるという論文が掲載された。10) 1)また、他にもビタミンA、ビタミンEの摂取は死亡率を上げると報告している2007年 JAMAに掲載された論文もある。11)2)重要な点は、抗酸化サプリメントの選択に関して身体状況を考慮して摂取することでありやみくもに抗酸化サプリメントの摂取は確実なエビデンスが存在しない限り勧められない。

抗癌サプリメント

抗癌サプリメントの宣伝の中に、「○○学会で発表」、「○○雑誌に報告」、「特許出願中」などという表現が記載されることがある。こういった表現は学会での発表が効果を学会で認められたと錯誤させる手法の場合もある。学術論文の医学誌への掲載も効果を認知されたわけでないにも関わらず宣伝を目的として利用される場合もある。 

あるサプリメントが「特許を取得」したというと特許を申請、取得をあたかも効果を保証したものであるとの錯誤へ一般消費者や癌で不安な家族や本人までも導く手法となっている場合もある。特定のサプリメントで癌が治ったとする体験談主体の本は「バイブル本」と称される。キノコやサメ軟骨などの特定のサプリメントを取り上げ、「末期がんが治った」「医者にかからなくてもがんが治る」などと誇大な見出しで訴えるのが特徴で、バイブル本の実態は、出版社と健康食品販売業者がタイアップして出した宣伝本である。直接商品名を挙げて効果を訴えると薬事法違反になるため、商品名は記載せずに、巻末や本に挟み込んだ紙に連絡先を記載しておき、本の内容で興味をもった患者へ商品購入へと導く商法である。この書の大部分は、ゴーストライターが関与し文章を構成し、医師は単純なインタビュー取材を受けるだけで内容を事前に知らされていないことも多い。  

抗癌サプリメントの体験談で良いことを述べて商品を紹介している場合、「これは個人の感想で薬効を説明しているのではありません」という断りを記載しておけば、薬事法にも健康増進法にも抵触しないと考えられているある種のサプリメントが癌に効くと思い込ませる合法的な手法を考える バイブルビジネス、抗癌サプリメントビジネスが存在する。特に末期癌患者やその家族は、手術、放射線、抗癌剤以外の治療として免疫療法や抗癌サプリメントにかける期待は大きくその思いをビジネスに活用したものもある。代替療法の一つとしてサプリメントが注目を集める中、おそらくすべてのサプリメントにおいて抗癌サプリメントの売り上げに占める割合は単価から考えても大きいと予想される。

本来のサプリメント摂取の目的とは異なるグレーゾーンが存在することを消費者も医師も認識する必要がある。

最も抗癌サプリメントとして認知されている一つに アガリクスがある。一般にブラジル原産の和名カワリハラタケ(Agaricus blazei Murril)の事をアガリクスと称し、キノコを原料としたサプリメントとして広く販売され以前は、非常に高価であったが、1990年代に栽培方法が確立され低価格でも販売されるようになった。このキノコはブラジルより種菌が日本に導入され、1970年代後半より国内で人工栽培され、当初はヒメマツタケとして販売が始まった。その後、複数の研究機関から抗腫瘍効果(免疫療法)や血糖値降下作用等が報告され、注目が高まった。12) 1990年代中頃より、いわゆるアガリクスブームが始まり、サプリメントとして乾燥キノコや抽出エキス等が販売されるようになり、300億円以上とも言われる巨大な国内市場を形成。「アガリクスによって『癌が治った!』」というような本も多数出版されていたが、ほとんどの本がバイブル商法で用いられる「バイブル本」であり、問題とすべき点が多い。原料は子実体と菌糸体のどちらが、抽出方法は酵素処理法と熱水抽出法などあるがメーカーにより異なる。また、アガリクスと称して売られているものの中にはハラタケ属のキノコであってもカワリハラタケでないものも多数流通している。

2003年以降、日本の国立医薬品食品衛生研究所が国内で流通するアガリクス製品(キリンウェルフーズの「キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒」、サンドリー(現:SSI)の「仙生露顆粒ゴールド」、サンヘルスの「アガクリスK2ABPC顆粒」)について検査した結果、2006年2月13日に麒麟麦酒(現:キリンホールディングス)子会社であったキリンウェルフーズ(現:ヤクルトヘルスフーズ)が発売する「キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒」について、ラットに対する中期多臓器発がん性実験で、発がん作用を助長・促進する癌プロモーター作用が認められ、販売停止と回収を要請した事を発表。同社は、アガリクスを含む全製品の即日販売停止と回収を決定した。多くのメディアに報道され話題になった。これらの報道後、抗癌サプリメントとしてのアガリクスの市場での販売は急速に終息したかに思われたが、現在では息を吹き返したかのように広告があふれている。いずれにしても科学的根拠を持たない抗癌サプリメント市場は、現代医療で見放された末期癌の患者が存在する以上、縮小傾向にはないようである。サプリメント摂取は本来、欠乏状態に対する補充という点では勧められるが、健康増進目的としては必ずしもエビデンスが存在するとは限らない。サプリメント摂取の適正評価には、メタアナリシスを視野に入れたデータ築盛が必要である。13)

参考文献

1)寺屋純二:健康食品(サプリメント)の活用と安全性. 日本病態栄養学会誌 8(4), 324, 2005
2)末武信宏、野村和生、橋本隆:高解像度顕微鏡を使用した血液分析システムの臨床的応用.日本美容外科学会誌 Volume 40 No.1 :10-15,2003
3)Bradford, Robert W.: The Study of Reactive Oxygen
Species (ROS) and Their Metabolism in Health and Disease. Oxidology :719、1997
4)Bradford, Robert W. & Henry Allen:Bradford-Allen Coagulation Pathway & Altered Coagulation Components in the HLB Blood Test (1998,2001)
5)Sawada, Y: Heart rate variability, Is it available in psychophysiological research. Japanese Journal of Cancer Research, 26, 8-13、1999
6)Nobuhiro Suetake, Yukiko Morita, Daichi Suzuki,et al:Evaluation of autonomic nervous system by heart rate variability and differential count of leukocytes in athletes. Health.Vol.2,No.10:1191-1198,2010
7)Hedelin, R., Wiklund, U., Bjerle, P., et al. Cardiac autonomic imbalance in an overtrained athlete. Medicine and Science in Sports and Exercise, 32(9), 1531-1533、2000
8)清水誠、戸塚護:健康機能食品と腸管機能. Anti-Aging Medicine 12:51-55、2008
9)米井嘉一:アンチエイジングドックの結果からみたサプリメントの処方例.Anti-Aging Medicine 24:78-81,2010
10)Ristow M, Zarse K, Oberbach A,et al:Antioxidants prevent health-promoting effects of physical exercise in humans. Proc Natl Acad SciUS A. :106(21):8665-70、2009
11)Bjelakovic G, Nikolova D, Gluud LL,et al:Mortality in randomized trials of antioxidant supplements for primary and secondary prevention: systematic review and meta-analysis. JAMA 297:842-857、2006
12)海老名卓三郎:担子菌アガリクス子実体抽出物の抗腫瘍効果-担子菌カワラタケ菌子体抽出物PSKとの比較. Biotherapy 17:33-38、2003
13)末木 一夫:抗酸化栄養素サプリメントによる1次予防および2次予防のための無作為化臨床試験における死亡率への影響、ビタミン 81(8):394-395、 2007

順天堂医学. 2011.57
P.100~108