国内におけるエクササイズの現状

国内におけるエクササイズの現状
健康のために行うのが本来のエクササイズの目的です

現在、空前のエクササイズブームであり、書店では多くのエクササイズ書やストレッチ書、ダイエット書が溢れています。
特にネーミングが、開発者や実践者が命名したものがほとんどでメディア受けするエクササイズに注目が集まっています。

テレビもエクササイズ関連は視聴率が稼げるということ、視聴者からのクレームが少ないということで毎日のように自称トレーナーや指導者の方々が出演されて芸能人への指導を行ったり特集を組まれています。
エクササイズブームの陰には、国民の健康不信があるのではないでしょうか。

健康関心というより健康に関する何を信じてよいのか?という健康難民とも称される方々が多いため、最も簡単で手軽でお金もかかからないエクササイズに注目が集まっているのです。

健康目的のエクササイズも中には健康被害をもたらすエクササイズも残念ながら存在します。
その大きな理由は、これまで注目され多くの販売部数を誇るエクササイズ書でも、ほとんどがエビデンス(科学的根拠)に乏しくその理論が説明されていない点になります。

ただ、DVDのように腰だけ回せば痩せるとか、過激な痛みに耐えストレッチを行うことが健康やダイエットにつながるとか・・・本当でしょうか?
中には確かに痩せる人もいるかもしれませんが、再現性、普遍性、客観性がなければ、科学的理論がない、トンデモエクササイズになってしまいます。

ラジオ体操も最近では注目されていますが、これほどもてはやされるほど機能的に優れたエクササイズとは医師としてもプロトレーナーとしても少し疑問に思います。
昭和26年に誕生したラジオ体操はどこでもだれでも手軽にできる国民的エクササイズです。
しかし、60年以上前と現在では、国民の骨格、環境も異なりますし、医学の進歩やトレーニング理論の進歩もあり、もっと有効なエクササイズがあるはずです。

大学医学部でプロアスリートまで指導できるレベルでエクササイズを研究、開発している研究室は当研究室(順天堂大学医学部病院管理学スポーツ医学研究室 ー 小林弘幸教授)のみです。
私どもは、これまでのエクササイズを検証し、解剖学的、運動生理学的観点から最も有効で本当に健康に効くと考えられるエクササイズの開発の結果、セル・エクササイズを開発しリリースしました。

エクササイズは何のために行いますか?
筋力アップのためですか?
ダイエットだけのためですか?

違いますね。
健康のために行うのがエクササイズの真の目的のはずです。

健康とはなんでしょうか?

これすらしっかり説明できないトレーナーが本当にエクササイズを指導できるのでしょうか?
健康のためのエクササイズは筋肉よりむしろ内臓強化が目的です。

エクササイズは専門医が医学的根拠を基に開発して指導するべきです。

健康とは…細胞一つ一つに良質な血液の血流をいきわたらせることです。

つまり自律神経機能が絶対重要条件なのです。
これまで自律神経に関して考えられたエクササイズは皆無であり、これほど重要で必須な点を無視しているのです。
エクササイズを唱える指導者や開発の方々は自律神経のことすらご存じない方がほとんどではないでしょうか。

ある、カリスマトレーナーがロンドンオリンピック日本代表のパーソナルトレーナーに就任したことが多くのメディアで取り上げられました。過剰な取材でカリスマトレーナー就任でメダル獲得も! と大々的に報道されていたことは記憶に新しいことですね。

結果はどうでしたでしょうか?
45位と過去の競技結果でも最低レベルの惨敗でした。
書籍では日本一販売を誇っても 世界にはその経験や理論が全く通用しませんでした。
陸上競技を知らない素人カリスマトレーナーがコンディショニングを無視してレース直前に身体の重心や動きばかりを重視した指導を行った医学的根拠がない指導の結果だと想定されます。

エクササイズには理論と医学的根拠エクササイズは自律神経強化が必須。

ストレッチも最近では静的ストレッチの効果は懐疑的でありPNF(ピーエヌエフ、Proprioceptive Neuromuscular Facilitation、固有受容性神経筋促通法。PNFは1940年代にアメリカで誕生した促通手技の一つの方法である。主にリハビリテーションなどで用いられる。)に関しましても競技パフォーマンスが低下するので要注意と警告する科学者もいます。

ド・・ストレッチ!! 強力な痛みを我慢して行うストレッチ。
はたしてこれが本当に身体に良いのでしょうか?
学術根拠以前に私は絶対にお勧めしません。子供へ行えば間違いなく虐待行為です。

さらに、最近では ゲ・・・・体操として関節可動域が向上するとダイエットができる、とメディアで大注目されています。
関節可動域が向上することと身体能力が向上してパフォーマンスが向上することとは必ずしも一致しません。

芸能人がやっている、テレビで放映され有名である。
だから素晴らしい画期的なエクササイズ?
これでは根拠なく癌に効く という健康食品と変わりません。

私どもは医学部で国民の皆様の健康増進に寄与するお手伝いをしています。
巷であふれる根拠のないエクササイズが健康どころか体を蝕む可能性も報告され大変、危惧しております。

次々と名前を変えてメディアで報道されるエクササイズ・・・科学的根拠をベースに検証する時期に来ているのではないでしょうか。